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ファーストリテイリング/総投資額1000億円、全世界の物流拠点を自動化

2018年10月09日 17:50 / IT・システム

ファーストリテイリングは10月9日、物流改革の一環として倉庫の自動化を進めると発表した。自動倉庫の第1弾として、東京・有明のEC専用の有明倉庫をマテハン機器大手のダイフクの協力を得て自動化した。

<有明倉庫の庫内>
有明倉庫の庫内

今後、日本国内のみならず、全世界全拠点での倉庫自動化を進める計画で、1拠点あたり10億から100億円の投資を行い、全世界の総額で1000億円規模の物流投資を行う予定だ。

<柳井会長兼社長(中央左)と下代社長(中央右)>
柳井会長兼社長(中央左)と下代社長(中央右)

柳井正会長兼社長は、「ファーストリテイリングの成長のためには物流がしっかりしないといけない。さまざまな企業とのパートナーシップを検討したが、世界一信頼できて一緒に最後までやっていけるのはダイフクしかない。ここにいる全員が反対すると思うが、2、3年で世界中に自動倉庫を作っていく」と語った。

ダイフクの下代博社長は、「有明倉庫の自動化は、我々の経験では3年はかかるプロジェクトであったが、1年半という非常に短期間で立ち上げることができた。徹底した自動化により、従来の倉庫よりも90%の人員削減を達成した。これは、ファーストリテイリングとダイフクで真剣に議論し課題を解決した結果だ」と述べた。

有明プロジェクト全体統括を務める神保拓也ファーストリテイリング執行役員(写真左端)は、「2015年に発生したユニクロ物流の大混乱を踏まえて、全社が一体となって2016年9月から物流改革の挑戦を行ってきた。2016年12月からダイフクとの取り組みを開始し、自動倉庫を立ち上げることができた。川上にあたる商品の生産、物流、店舗に至るまでRFIDを活用した取り組みで、大幅に生産性を改善できた」と取り組みを説明した。

<有明倉庫の外観>
有明倉庫の外観

倉庫を自動化することにより、入庫生産性80倍、出庫生産性19倍、保管効率3倍、省人化率90%、ピッキング作業者の歩行数0歩、教育コスト80%カット、RFID自動検品精度100%、AIカメラによる24時間遠隔監視による、24時間稼働を実現したという。

神保執行役員は、「世の中のEコマース企業は、さまざまな商品に対応しなければいけない倉庫だが、ファーストリテイリングの自動倉庫は、服の専門家だからこそつくれた今までにない全く新しい自動倉庫だ」と述べた。

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