ゼンショー/2020年、卓上ロボットでの接客を実用化へ
2017年04月06日 15:15 / IT・システム
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ゼンショーホールディングスと大阪大学大学院基礎工学研究科システム創成専攻知能ロボット学研究室は4月6日、卓上ロボットによる「おもてなし」に関する共同研究を開始すると発表した。
2020年を目途に、卓上ロボットによる接客のある店舗を、最低でも1店は常設することを目指す。
飲食業におけるロボット活用による店舗サービスの向上と新たな付加価値の提供の可能性を探る取り組み。
3月29日~4月4日、横浜市のファミリーレストラン「ココス日吉店」で、第1回のおもてなし実証実験を行った。
ココス店内にロボットと会話を楽しむことができる座席を設け、実際に訪れた幼稚園児から小学生くらいの子どもがいる家族を対象に、ロボットを通じて家族との楽しいコミュニケーションを作り出すことができのかを検証した。
使用したロボットの特徴は「受付・案内」「注文」「会計」などといったある特定の場面だけでなく、お客の着席から食後のあいさつまでの一部始終に対応した「おもてなし」ができる点にある。
3席の実験シートに各1体の卓上ロボットを設置し、7日間で約150人のお客が、卓上ロボットによる接客を体験した。
実験に参加したお客からは、「じっとしていない子供の相手をロボットがしてくれて、ゆっくりと夫婦の会話ができた」「ロボットは子どもとの会話が上手で、家族の会話もよくなった」といった声が聞かれ、概ね良好な結果となった。
ロボットに子どもが会いたいといって再来店するお客もいたという。
実験に参加したゼンショー中央技術研究所所長の永井元氏は「今回は、子どもがいる30代の女性をターゲットに会話ができる卓上ロボットを投入した。一方で、ファミリーレストランのお客様にはさまざまな年代のお客様がいる。将来的には、ロボットがあらゆるお客様に対応できる状況を目指している。現在の完成度はまだ1割だが、2020年を目途に実用化したい」と語った。
最先端のロボット研究者で大阪大学教授の石黒浩氏は「いまのファミレスは、単に栄養補給をする場所になっている。本来、レストランは、シェフや店員、家族との会話を楽しみながら食事をする場所だ。今回の実験は、本来のファミリーレストランを取り戻す取り組みだ」と語る。
現時点では、卓上ロボットと注文端末は連動していないため、卓上ロボットはおすすめメニューを提案するのみで、実際の注文はお客が行う。
また、卓上ロボットの取扱いについても店舗の店員が簡単にできる仕組みとはなっていないといった課題がある。
現在は、会話15パターン、ゲーム15パターンに対応し、約3000~4000通りの会話に対応しているが、今後は、食育など会話の内容を広げていく予定だ。
永井氏は「実験をしたところ、子どもがロボットをいじめることはなく、ロボットのいうことを子どもは良く聞く傾向がみられた。今後は、ロボットがちゃんと野菜を食べようねとか、食育的な会話ができるようにしたい。実験の検証期間もあるため、半年に1回くらいを目途に実証実験を行っていきたい」と述べた。
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