キリン/ビッグデータ活用の設備管理、IoT冷凍機遠隔監視システム導入
2021年07月07日 13:40 / IT・システム
キリンビールは7月7日、冷凍機などを手がける前川製作所と連携し、ビッグデータを使った設備管理と、IoTを活用した冷凍機の遠隔監視システムの運用を開始すると発表した。
ビールやRTDの原材料を保管する冷凍機にセンサーを取り付けることで運転状況のデータが蓄積され、ビッグデータを活用することで消耗品の劣化・設備異常の兆候管理が可能となる。2021年5月よりキリンビール福岡工場内の全冷凍機に対象を拡大するとともに、 前川製作所の冷凍機を設置している他の全工場でも同様のシステム導入を目指す。
ビッグデータ活用による設備管理は、冷凍機に振動計などのセンサーを取り付け、設備の運転状況のデータ蓄積と、集めたビッグデータを活用し、消耗品の劣化・設備異常の兆候を管理する。
導入によって、ビッグデータ解析で設備状態の変化を事前検知し、設備トラブルの抑制と生産ラインの稼働効率化、消耗品の劣化予兆を受けた設備部品交換時期の適正化、ビッグデータを活用し設備での省エネルギー診断の実施、設備の不調の早期解消と故障発生を防止といった効果を見込む。
IoTを活用した冷凍機の遠隔監視は、冷凍機の周囲にネットワークカメラを配置して遠隔監視を実施し、IoTを活用して前川製作所と、迅速にデータ共有ができるネットワークシステムを構築。また、電子帳票を導入し自動帳票の作成や分析の自動化する。
遠隔監視では、設備の状態変化の事前検知し、早期での確実な点検実施や、点検の遠隔監視と記帳の業務負荷の軽減につなげる。工場の点検時間は年間で約120時間を削減する。
<福岡工場でのシステム構成図>
キリンでは、システム導入に先立ち、福岡工場で2020年1月から約1年のテスト運用を実施。冷凍機の稼働の効率化と設備点検負荷の軽減が可能になることを確認した。テストを行った福岡工場では5月から本格運用を開始しており、工場内にある全ての冷凍機に対象を拡大した。
一方、前川製作所では、今回の技術を使ったシステムを「スマートチラー」の名称で7月に商品化しており、9月にキリンビールの仙台工場へ展開する。
キリンではシステムの導入で、工場設備の突発的な故障防止と稼働の効率化、省エネルギー化を図る。同時に、定期点検や現場でのトラブルシューティングといった作業時間の省略化を進め、キリン、前川製作所の業務負荷を軽減したい考え。今後は、前川製作所の冷凍機を設置する全工場でのシステム導入も予定している。
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