日販/青山ブックセンター六本木店跡地に入場料1500円の本屋「文喫」
2018年12月10日 17:00 / 店舗レポート
日本出版販売は12月11日、東京・六本木に入場料ある新業態の本屋「文喫」をオープンする。12月10日マスコミ向け内覧会を開催した。
同店は、青山ブックセンター跡地に、日販が「本との新たな出会い」をテーマにした本屋「文喫」を初出店するもの。
プロデュースにスマイルズを迎え、店舗運営はリブロプラスが行う。人文科学、自然科学、アート・デザインなど各1点ずつ、約3万冊の本がそろう。
本との偶然の出会いを仕掛ける陳列方法、小腹を満たす喫茶室、1人本と向き合うための閲覧室、数人で利用できる研究室などを用意し、単なるブック&カフェに止まらない、本を選ぶ豊かな時間を提供する新しい本屋を目指している。
日販の営業本部リノベーション推進部市場開発課は、「文喫は、本と人との思いがけない出会いを提案する。書店のサポートだけでなく、新たなチャレンジとして文喫を開業し、本と本屋をあきらめない、本のある場所をどう残すか挑戦していく」と説明している。
本を売るだけの本屋ではなく、「本と恋に落ちる、本と出会うための本屋」として運営するため、入場料(税別1500円)を設定した。
入場料には、コーヒーと煎茶の飲み放題が含まれており、飲み物を楽しみながら、ゆったりと1日中本に浸ることができる。
利用時間は、営業時間の9時~23時の中で無制限となっている。
エントランスは、本の企画展示を行う。六本木駅至近の視認性の高い立地にあり、道行く人の目を引く、新たな本の世界への入口を提示する。
第1回は、泊昭雄氏がクリエイティブディレクターを務めるビジュアルマガジン「hinism(ヒニスム)」10年ぶりの復刊を記念し、「hinism」中心に雑誌の持つ可能性と多様性を表現している。
また、続くスペースでは、約90種類の雑誌を販売する「マガジンウォール」を設置。雑誌の裏は、ボックスになっており、雑誌から広がるインスピレーションにより選ばれた本が収められ、ともに購入できる。
企画展示と雑誌のスペースは無料で利用でできる。
ホテルのロビーをイメージしたレセプションで入場料を払うと、入館バッチがもらえ、無料でWi-Fiも利用できる。有料スペースは、約3万冊の本をそろえた選書室、喫茶室、閲覧室、研究室からなる。
選書室は、アート、建築、デザイン、ビジネスなどの書籍を選ぶ豊かな時間を提供する。
本との偶然の出会いを創出するため、作者・ジャンルで本を分けすぎず、文庫とハードカバーが混在し、平積みも形や種類がミックスされた置き方がなされている。
店内は、「本と恋に落ちる」瞬間をテーマにした「初恋」ピンクをキーカラーにレトロな雰囲気にデザインしている。
本は、購入前に喫茶室で、食事や飲み物とともに楽しめる。飲み放題のコーヒー、煎茶以外に、ハヤシライス(1080円)、カフェラテ(580円)、ギネス(680円)、山崎(580円)などソフトドリンク、アルコールもそろえた。
その他座席は、一人掛けのソファー席を用意。
小上がり席では、六本木ヒルズを眺めながら、寝っ転がって本が読める。
イベントスペースでは、今後、定期的にイベントを開催する。
閲覧室(12席)は、コンセントも用意し、じっくりと本と向き合える。
研究室は複数人利用で、会議もできる(予約不要)。
スタッフは、白衣をイメージしたオリジナルの上着を着用しており、「本屋で働くカッコよさ」を表現している。
<選書室には無料ロッカーも設置>
■文喫 六本木
住所:東京都港区六本木6-1-20 六本木電気ビル1階
営業時間:9時~23時(L.O.22時30分)
店舗面積:約482m2
定休日:不定休
席数: 90席
入場料:1500円(税抜)
公式サイト:bunkitsu.jp
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