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富士通/混雑原因を短時間で発見、商業施設などで混雑緩和策を提案

富士通研究所と早稲田大学理工学術院高橋真吾教授は12月7日、人間行動シミュレーションの結果から混雑につながる原因を自動で分析する技術を開発したと発表した。

人間の行動をエージェントとしてモデル化する人間行動シミュレーションは、現在、緊急時の避難行動の予測や都市計画時の人の動線確認などで活用されている。

その中でも、混雑予測のシミュレーションでは、大量のシミュレーション結果から専門家が混雑の原因を分析し一つずつ検証していくため、多大な時間がかかる上、原因の見落としが発生することが課題となっていた。

<混雑原因の分析イメージ>
混雑原因の分析イメージ

今回、数千から数万のエージェントがそれぞれとった行動や経路の結果を1つ1つ項目として羅列せずに、ある程度共通する項目でグルーピングし、少数の項目の組合せでエージェントの特徴を表現することで、混雑に関わったエージェントの特徴を抽出しやすくする混雑原因発見技術を開発した。

これにより、さまざまな人の属性や行動パターンにあわせた混雑緩和の対策が可能となる。

新技術により、インバウンド増加や都市集中型による商業施設やイベント会場などの混雑への緩和策をいち早く検証できるという。

イベント会場や空港、ショッピングモールなど、多くの人が集まる場では、しばしば混雑による顧客満足度や売上の低下が問題となる。

現状では、入退場や支払いなどへの設備・対応人員の増強以外に、案内板の設置やクーポン配布による空いている場所や時間に誘導する方法などで混雑の緩和を図っている。

しかし、より効果的な対策を行うためには、どのような属性の人々がどのような情報を認知し、どのような行動をとるかを知り、効果的な混雑緩和の手法を採ることが重要だ。

<混雑原因の発見と施策例>
混雑原因の発見と施策例

たとえば、複合施設で起きた店舗Aと店舗Bの混雑に対して、店舗Aの混雑は認知に着目すると案内板の集客効果が原因であり、店舗Bの混雑は行動に着目するとレストラン利用客のまとまった来客が原因であると特定できる。

これにより、店舗Aの混雑は利用者のもう一つの目的であるATMへ誘導する案内板により集客を分散させる施策が有効であり、店舗Bの混雑にはスタッフを増員し処理速度を上げる施策が有効であると判断できるという。

空港の混雑緩和施策分析を目的として2015年に開発した人間行動シミュレーションに新技術を適用し、効果を検証した。

その結果、専門家の分析と比較して、約4倍の混雑原因を発見することができた。

たとえば、保安検査の混雑分析では、旅客が特定のチェックインカウンターで滞留することに起因して保安検査の突発的な混雑が生じることを新たに発見した。

新技術により発見された混雑原因に基づき施策を導出したところ、専門家分析の結果から導出した施策に比べて、保安検査の待ち人数を6分の1に削減し、施策実施に必要な人員数を3分の2に抑える効果があることをシミュレーション上で確認した。

また、分析時間も数カ月から数分へと大幅に短縮できたという。

今後、新技術を用いて、イベント会場や空港、ショッピングモールなどでの混雑に対し実証を進め、デジタルサイネージやテナント配置などの効果も含めて検証する予定だ。

■問い合わせ
富士通研究所
人工知能研究所
TEL:044-754-2328(直通)
abss@ml.labs.fujitsu.com

早稲田大学
理工学術院教授 高橋真吾
TEL:03-5272-4544(直通)
shingo@waseda.jp

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