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コンフォートマーケット/2号店「西馬込店」レイアウト変更、親しみやすさ強調

2020年05月08日 14:20 / 店舗レポート

セブン&アイ・ホールディングス傘下のフォーキャストは3月27日、東京都大田区西馬込の東急大井町線・都営地下鉄浅草線「西馬込駅」前に、新業態の食品スーパーマーケット「コンフォートマーケット」の2号店「西馬込店」をオープンした。

<コンフォートマーケット西馬込店>
コンフォートマーケット西馬込店

コンフォートマーケットは、省力化を進めながら、新しいサービスを導入したテスト店舗で、レジは全台フルセルフレジを採用し、一部にスライド式什器を採用し人員を効率化した。アプリを活用し、店頭のロッカーで商品を受け取るネットスーパー的なサービスも導入する点は、1号店を踏襲した。

一方で、中延店は白を基調とし、惣菜と酒から始まる高級感のある店づくりだったが、西馬込店は、店舗入口に青果売場を配置することで、より通常の食品スーパーらしいレイアウトを採用することで、来店しやすい雰囲気づくりを重視した。

<1階中央の惣菜売場>
1階中央の惣菜売場

もっとも大きな変更点は、店舗レイアウトで、購買頻度でフロアを分けた。西馬込店は、購買頻度が高い商品として、1階に青果・乳製品、飲料、パン、惣菜を集積した。2階には、精肉、鮮魚、冷凍食品、酒、お菓子、和日配を配置した。「野菜は毎日、買うけど、肉や魚は毎日買わない」といったお客の声も参考に、来店につながる購買頻度が高い商品を1階に集めた。

1号店の中延店では、惣菜、酒類、ベーカリー、乳製品を1階に配置。これまでの食品スーパーとは違い、酒とつまみが手軽に楽しめる働く人が帰宅時に利用しやすい新しい提案を重視したレイアウトを採用。1階は即食・簡便、2階は生鮮食品を中心に調理が必要な商品という位置づけだった。

<1階の青果売場>
1階の青果売場

売場面積は550m2、延床面積は1457m2。建物は4層構造で1、2階部分が店舗となっている。土地・建物は賃貸で、3、4階には、コンフォートマーケットとは全く別運営で保育園が開園している。

1号店の「中延店」は3階に、生鮮食品と惣菜の加工場を設けていたが、西馬込店は、加工場を持っていない。中延店は、急速冷凍技術を活用して製造する店内加工の冷凍食品を作ることが可能で、冷凍した味付け魚や和牛など一部の商品を西馬込店に供給している。

西馬込店の1次商圏は500m圏内・人口1万3500人、2次商圏は1km圏内・人口5万5100人となっている。中延店は、都営浅草線の西馬込駅から五反田側に2駅先に進んだところにあり、かつ都営浅草線の地上にある国道1号線で2.4kmの距離にある。

フォーキャストは、出店計画は未定としているが、1号店に加工場があり、2号店も商品供給が可能な距離に出店していることから、1号店を母店とした、母店・子店方式によるドミナント出店を想定していると考えられる。

<惣菜ではサンドイッチも展開>
惣菜ではサンドイッチも展開

中延店と同様に、店舗中央に円形の惣菜コーナーを設置。コンフォートマーケットの象徴的なコーナーとしてこだわりを残した。惣菜売場の真上に惣菜厨房を設置し、商品専用エレベーターで、商品を1階に供給する仕組みは、1号店を踏襲した。

商品構成(SKU)は、青果280、精肉・水産300、惣菜190、グロサリー2000、日配品1500、酒750、その他日用品180、合計約5200SKU。

また、セブンプレミアムは一切品ぞろえしない商品構成で、お客からはセブン&アイ・ホールディングスが運営する店舗とは全く分からない店舗を中延店から踏襲した。

<2階売場>
2階売場

惣菜は、中延店と同様に、機内食の提供で実績があるティエフケーとティエフケーの関連会社インフライトフーズを活用した。これまで、食品スーパーやコンビニにお弁当や惣菜を提供していない新たなベンダーを開拓することで、アウトパック商品でも差別化を図る。

<惣菜はアウトパック商品も活用>
惣菜はアウトパック商品も活用

一方で、惣菜では、冷惣菜の量り売りを実施。コロッケや唐揚げなど、対面販売をすることで、お客とコミュニケーションをとりながら固定客を作る取り組みに挑戦している。

ただ、簡単に買い物を済ませたいというニーズもあるため、ばら売りの惣菜や量り売りの惣菜では、パック詰め商品を用意し、お客のニーズに対応する。

<冷惣菜の量り売りを実施>
冷惣菜の量り売りを実施

寿司と海鮮丼は、惣菜部門ではなく、鮮魚部門が担当。急速冷凍技術を活用した魚も使いながら、鮮魚部門が仕入れた魚をネタとして使用することで、鮮度感のある商品を提供。競合店舗との差別化を図る。

<さかな屋の寿司・丼>
さかな屋の寿司・丼

惣菜部門は、コンフォートマーケットの中核をなす部門であるが、人手不足の中で、製造・販売する人件費も課題となる部門となっている。アウトパック商品や鮮魚部門の商品も活用することで、品ぞろえを豊富にしながら、惣菜部門が店内製造する商品を絞り込むことで、惣菜部門の運営コストの引き下げを目指す。

<店内調理の惣菜商品>
店内調理の惣菜商品

中延店は開店時に、全てのレジをセルフレジとしていた。ただ、高齢者のお客も多く、競合店舗では通常レジが主流のこともあり、開店後にお客から通常レジを求める声があったため、現在は通常レジを導入している。

西馬込店では、中延店での経験を踏まえて通常レジを5台配置、セルフレジ2台、キャッシュレス専用セルフレジ5台を配置することで、お客のニーズに答えつつ新たな取り組みも継続している。

<レジはセルフレジを中心に通常レジも配置した>
レジはセルフレジを中心に通常レジも配置した

コンフォートマーケットでは、新たな取り組みとして、アプリを活用して商品を事前注文し、店舗に設置した受け取りロッカーで商品を受け取る仕組みを導入している。

西馬込店でも、アプリと受け取りロッカー(30口)を導入しており、新しい買い物スタイルを引き続き提案している。

※本稿は3月27日の開店時の情報に基づいている。

■店舗概要
所在地:東京都大田区西馬込 2–21–3
交通:都営浅草線「西馬込駅」南口から徒歩1分
営業時間:平日10時~22時45分、土日祝日8時45分~22時
売場面積:550m2
延床面積:1457m2
駐車場:提携駐車場2カ所合計11台
駐輪場:36台(内 駐輪機26台)
従業員数:正社員7人、パート・アルバイト22人(8時間換算)
レジ台数:通常レジ5台、セルフレジ2台、キャッシュレス専用セルフレジ5台

■コンフォートマーケット
https://comfortmarket.jp/

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