100万人集客するVRイベント/ベルク、ビームス、大丸松坂屋百貨店など出展

2022年08月08日 16:20 / 店舗レポート

HIKKYは8月13日~28日、メタバース(インターネット上の3D仮想空間サービス)上で開催される世界最大のVRイベント「バーチャルマーケット2022 Summer」を開催する。8月8日メディア向け先行体験会を開催した。

<VRコマースを推進するHIKKYのメンバー>
HIKKY
※PRマーケティングチームの尾崎真平氏、松澤亜希美氏、大河原あゆみ氏

バーチャルマーケットはメタバース上にある会場で、アバターなどの3Dアイテム、リアル商品(洋服、PC、飲食物など)を売り買いできるVRイベント。VR空間にアバターで参加し、買い物、店舗や世界中の人とのコミュニケーションを楽しんだり、ライブ・イベントも体験したりできる。「バーチャルリアリティマーケットイベントにおけるブースの最多数」としてギネス世界記録に認定された。2018年8月に開始し、2022年8月で8回目の開催となる。

今回、VR機材不要のVket Cloudでの会場も設置し、スマホ、パソコンのブラウザからアクセス、マルチプレイやボイスチャットも可能となっている。

<企業出展会場のパラリアルニューヨーク>
パラリアルニューヨーク

バーチャルマーケット開始時は、約1500人とVR、ゲームなどに関心が高い層のみ参加していた3Dモデルの展示即売会だったが、今では多数の企業の出展ブースも登場する大規模イベントに成長。昨年12月開催時には日本はもとより世界から約100万人が参加し、今回も100万人超の来場を見込む。

<大丸松坂屋百貨店>
大丸松坂屋百貨店

参加費用は広告掲載のみの40万~50万円から、本格的なブース出展は2000万~3000万円と幅広い。HIKKYの担当者が、顧客一人一人に付き、プランニングから制作、PRまで担当し、メタバース初心者にもわかりやすくサポート。顧客の要望、予算に応じた規模で出展形態を提案する。

<阪急阪神百貨店の名物いか焼きを購入できる>
阪急阪神百貨店

今回はみずほ銀行、JVCケンウッド、三井住友海上火災保険、SMBC日興証券といった約60社の企業が参加予定。流通・小売りではJR西日本グループ、ビームス、大丸松坂屋百貨店、ベルク、阪急阪神百貨店など約20社が参画する。

<ベルクではショッピングカートレースを楽しめる>
ベルク

今回の企業出展会場の舞台は、「パラリアル大阪」と、海外都市から初のパラリアル化となる「パラリアルニューヨーク」。現実世界の大阪とニューヨークの街の主要部を精巧に再現した街並みに、多くの企業ブースがそろう(パラリアルとは「パラレルワールド(並行世界)」+「リアル(現実世界)」を合わせた造語で、リアルとメタバースに並行して存在することを指す)。

各企業のブースでは、商品紹介のほか、外部の自社ECに遷移し、商品を購入できる。企業の歴史探訪、ゲーム、フォトスポットなども用意している。

<商品は外部の自社ECで購入可能>
商品は外部の自社ECで購入可能

同イベントの魅力の一つは、流通・小売業がアプローチしにくかった20~30代の男性にリーチできる点だ。メタバースを楽しむ生活者は20~30代で、自分のこだわり、趣味のものには惜しみなく投資する可処分所得が高い男性が多い。

セレクトショップ、百貨店などにあまりなじみがなかった人でもアバターで参加し、イベントを楽しむ中で、そういった店舗での買い物の楽しみに目覚めることもあるという。

大河原あゆみPRマーケティングチーフは「イベント開催を重ねるにつれ、出展者からメタバース空間は、リアル、ECに次ぐ第3の商空間に育ちつつあるという声を聞いています。単純に安く、比較して買うならECが便利です。しかし、メタバースは、リアルと同じように、人とのコミュニケーションもできるのが魅力です。アバターのスタッフの話を聞きながら買い物をする楽しみがあるので、ちょっと高くても買う傾向にあります」。

また、「アバターから接客を受けた顧客が、そのスタッフと話すのが楽しくなり、開催期間中何度もブースを訪れ、そのスタッフから買いたいとリアル店舗にも来店するなど、顧客ロイヤルティーを高めるとともに、リアル店舗への流入も期待できます。メタバースはアバターで買い物したり、接客を受けたりできるので、自分の好きな自分で、自信をもって振る舞い、現実では買いにくいものにもチャレンジできます。参加者には、さらなる買い物の楽しみを、企業には新たな顧客開拓の場を提供します」と意気込みを語る。

アバターでの接客時間はリアル店舗より伸びる傾向にあり、リアルよりも周りを気にせず、深い話もできると出展者・参加者から好評を得ている。

<じっくり細部まで商品を吟味>
じっくり細部まで商品を吟味

バーチャル空間だからこそ、じっくり細部まで商品を吟味できるのもメタバースならではの特長。船舶、住宅、楽器など高額商品ほど、何度でも満足するまで商品を見る傾向にあるという。

オープンなVR空間以外にも、参加者一人だけ、もしくは友人グループだけのURLを別個に発行することもできる。展示会でありながらパーソナルスペースも確保可能となっている。

<商品と記念撮影もできる>
商品と記念撮影もできる

さらに、顧客ロイヤルティーを高めるのがメタバース上でのファンコミュニティーの存在。メタバース上にアバターで集まって、写真撮影したり、イベントを一緒に楽しんだり、各種SNSでの写真、TiKTokといった動画で体験をシェアすることで、イベントを盛り上げる。

企業ブースでは、食品、アパレルなどの3Dアイテムも販売。日常的に企業の商品をファンにメタバース上で利用してもらえるメリットもある。

そのほか、「バーチャル大丸・松坂屋」では、店頭では商品知識豊富な大丸松坂屋百貨店の本社ギフト企画運営担当の田中直毅氏(ほぼほぼギフトの田中さん)、経営戦略本部DX推進部・社員インフルエンサー野崎瑞穂氏(お菓子食べすぎ会社員 野崎さん)が、アバター姿で登場。「メタバース上で働くアルバイト」も採用する。バーチャル接客の経験があり、商品知識を身につけたスタッフがおすすめ商品の魅力を伝える試みを行う。

リアル店舗での採用と並行して、VR空間上での働き方を取り入れることで、大丸松坂屋百貨店のように、多様な働き方を検証する企業も登場している。

今後、HIKKYでは夏冬の定期イベント以外にも、常設のバーチャルマーケットの開設を予定している。VRを通じたPRの場、デジタルアイテムを用いた新たなマネタイズのプラットフォームとしてより盛り上げていきたい考えだ。

■バーチャルマーケット2022 Summer
主催:VR法人HIKKY
会期:2022年8月13日~28日(計16日間)
企業出展会場:パラリアルニューヨーク/パラリアル大阪
公式サイト:https://summer2022.vket.com/

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