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マツキヨ、ココカラ/勝ち残るための経営統合、マツキヨPBに期待

2019年08月22日 21:17 / 経営

マツモトキヨシホールディングスとココカラファインは8月22日、経営統合に向けた協議を開始することを受け、都内で共同記者会見を開いた。

<松本社長(左)と塚本社長(右)>
松本社長(左)と塚本社長(右)

ココカラファインの塚本厚志社長は、「競争が激しいドラッグストア業界の中で、生き残るのではなく、勝ち残るために経営統合の検討を開始する。統合後は、売上高1兆円、店舗数3000店、調剤売上1000億円、調剤薬局600拠点の日本一のドラッグストアが誕生する」と述べた。

マツモトキヨシHDの松本清雄社長は、「これまで当社は業界1位から順位を下げ、4番手、5番手となっていた。一方で、規模の拡大から質の拡大に転換を図り、業界No.1の利益率となった。ドラッグストアは、医薬品・化粧品を強みにした店舗と食品強化型に二分化している中で、当社とココカラファインは医薬品・化粧品に強みを持つ点が共通している。両社を合わせた売上は1兆円となり、今後、国内のみならず、アジア一番のドラッグストアを目指す」と述べた。

<記者会見>
記者会見

現在は、経営統合に向けた協議を開始する段階で、具体的な統合方法や役員構成は未定となっている。店舗の屋号について、松本社長は、「現在、グループ会社にぱぱすという企業があり、看板が違うことで、店舗が至近になっても棲み分けができている事例がある。異なる屋号であっても、それぞれの特徴を生かすことができれば同一エリアでもカニバリを起こさないため、共存共栄でやっていきたい」と答えた。一方で、不採算店舗については、「不採算店舗がある状態で経営統合すると、当社の収益率が下がってしまう。経営統合前に不採算店舗は整理してもらいたい」と述べた。

統合のイメージについて、松本社長は、「全く未定だが、マツモトキヨシHDは、グループ会社の人事や総務業務を委託するシェアードサービスを活用している。商品部も統合しており、事業会社は営業に専念する体制とすることで、管理部門の効率化を図っている。仮に、ココカラファインも同様に枠組みに参加すれば、管理部門の重複コストは削減できるだろう」と語った。

<マツモトキヨシのPB>
マツモトキヨシのPB

経営統合の相手にマツモトキヨシHDを選定して理由について、塚本社長は、「ココカラファインがいま抱えている問題を解決するために、マツモトキヨシが持つ、商品力、マーケティング力、店舗運営の効率化といった3つの強みを生かしたい。ドラッグストアで長く働ける会社のランキングで、マツモトキヨシが1位、当社が2位ということもあり、マツモトキヨシを統合相手に選んだ」と述べた。

マツモトキヨシのプライベートブランド商品の展開について、塚本社長は、「マツモトキヨシのPBは洗練されていると思う。ココカラファインの社員の間でも評判が良く、現存するマツキヨPBをまずはココカラファインに並べたい。ココカラファインにもヒット商品があるので、相互の商品を相乗りしたい。できることなら、(PB開発)チームを一つにして新たなPBを作っていきたい」と答えた。

塚本社長は、「現在のココカラファインの売上・利益でも、何とかドラッグストア業界の中で生き残ることはできるだろう。だが、企業である以上は、未来に向けて成長をしなければならない。当社よりも収益力の高いマツキヨと組むことで、当社の収益力を高めたい。収益力を高めることで、成長のための投資の原資を得て、よりお客様に支持される企業となることで、勝ち残ることができる」と語った。

松本社長は、「規模拡大を追うと、どうしても売上高重視となり、収益率が落ちる。食品強化型のドラッグストアもある中で、重要なことはカテゴリーでNo.1ということだ。売上高だけを求めれば、まったく違う業態を買収して、売上を増すことができる。医薬品・化粧品といったカテゴリーで売上高が一番ということが重要だ」と述べている。

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