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流通賃上げ/正社員平均1万1774円、ライフ8178円、ヤオコー1万2228円、オークワ7052円

2023年04月05日 12:55 / 経営

UAゼンセンは4月5日、2023年の労働条件交渉(4月3日10時現在)で、妥結総合計(制度昇給、ベア込み)は正社員組合員1万2350円(4.16%、月給)、短時間(パートタイム)組合員59.2円(5.68%、時給)となったと発表した。

正社員組合員415組合、短時間組合員177組合、契約社員組合員51組合、計113万人強の組合員の賃上げが決定した。正社員組合員では、89組合が満額回答となっている。

部門別の正社員妥結状況(総合計、加重平均)では、スーパーマーケット、GMS企業などの組合で構成される流通部門(23万4786人)1万1774円(4.04%)、外食など総合サービス部門(6万624人)1万3706円(4.59%)、製造産業部門1万2905円(4.16%)だった。

<松浦昭彦会長>
松浦昭彦会長

松浦昭彦会長は「3月末で大手から中小企業へ交渉が移り、若干数字が下がったものの、UAゼンセン結成後2013年の春闘以来、正社員、短時間組合員ともに最大の賃上げとなっている。ともに価格上昇分を上回る数値となった。原材料高など企業の経営は厳しいのものの、人材確保、人への投資には賃上げが必須だということを労使ともに認識した結果だと考えている。また、パートの賃上げが高い水準で推移しているのは、早期にイオングループが7%の賃上げを宣言したことが各社の経営者に大きな影響を与えたとみている」と説明している。

契約社員組合員は、妥結した51組合の総合計は加重平均9164円(4.10%)の引き上げとなっている。前年と比較できる48組合の加重平均は前年を4772円(2.12%)上回っている。

正社員の初任給は高卒(171組合)で7655円(4.2%)・大卒(192組合)で1万113円(4.7%)引き上げられた。

ほぼ半数の組合が大卒で22万円、高卒で18万円以上の初任給水準となった。

企業内最低賃金は、150組合が7397円(4.1%)の引き上げとなっている。

流通部門に所属する主なスーパーマーケットの組合は、ライフ労働組合正社員8178円(2.78%)・短時間56.0円(5.04%)、全ヤオコー労働組合正社員1万2228円(4.06%)・短時間53.5円(5.17%)、ヨークベニマル労働組合正社員1万1169円(3.56%)・短時間50.0円(5.25%)、オークワ労働組合正社員7052円(2.22%)・短時間42.33円(4.08%)、コープこうべユニオン5951円(1.7%)・短時間50.0円(4.56%)で妥結した。

また、総合労働条件の改善では、イトーヨーカドー労働組合が、勤務間インターバル規制時間を11時間に引き上げた。不妊治療やがんなど長期治療と仕事の両立支援制度も創設する。

ライフ労働組合は、2023年5月に一般職の限定社員制度を廃止し、希望者全員を正社員に転換する。全ヤオコー労働組合は、配偶出産休暇を全雇用区分同一の有給特別休暇とする。外国人労働者に向け、契約内容・就業ルールなど必要な文書の多言語化にも取り組む。

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