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企業の「光熱費」/小売業では年間平均186万円増

2023年05月24日 15:10 / 経営

帝国データバンクが5月24日発表した「電気料金値上げに関する企業の実態アンケート」によると、水道光熱費(以下:光熱費)が増加した割合が最も大きかったのは「小売業」で、4月までに2022年度(2022年4月~2023年3月)決算業績が判明し、2021年度の業績が比較可能な約2500社のうち、8割超の企業で増加したことが判明した。

<小売業では年間平均186万円増>
小売業では年間平均186万円増
※出典:帝国データバンクホームページ(以下同)

1社あたりの増加額も大きく、平均で年間約186万円(月額約16万円)増加し、全業種中で最大だった。

飲料や食品の冷蔵・冷凍陳列に加え、店内照明など、電力を多く消費するコンビニエンスストア、食品スーパー、ドラッグストアなどの各小売業で、光熱費が大きく増加した。飲食店も、食材保管や調理用のガス代、上下水道の費用増がみられたという。

全体でも、約3万8000社の光熱費を調査した結果、約8割にあたる約3万1000社で、支払った光熱費が増加している。

光熱費支出の増加幅別にみると、前年度比「+20%未満」が44.3%で最も多く、次いで「+20~80%未満」が30.7%だった。

前年度から倍増した企業も4.6%あったとしている。

1社あたり光熱費増加額は平均で47.8万円に上り、月額で約4万円の新たな光熱費負担が発生した計算となる。他方、光熱費負担が「前年度並み」、または「減少」した企業の合計は2割だった。

小売業のほかに、「卸売業」、倉庫など「運輸・通信業」でも光熱費が増加した割合が高く、総じて「保存・保管」などで電力を多く使用する業態で光熱費の増加が目立った。

1社あたりの増加額では、小売業のほかに「サービス業」で多く、増加額は平均で約66.5万円だった。パチンコ・スロット台を常時稼働するパチンコホールなどの「娯楽業」、給湯用ボイラー用のガスや客室空調などで電力を消費する旅館・ホテルなど「宿泊業」で、前年度から大幅に増加した。

さらに、地域別にみると、光熱費が「増加」した企業の割合が8割以上を占めたのは、近畿と九州を除く7地域に上り、全国的に企業の光熱費は2022年度に比べて増加している。

特に、「東北」は全地域で最も多い84.5%の企業で光熱費が増えた。

光熱費の増加額は地域によって格差がみられた。増加額が最も高い地域は「北海道」だった。

<増加額が最も高い地域は北海道>
増加額が最も高い地域は北海道

特に冬季間の空調維持のための電気・ガス代の上昇が大きく響き、1社平均で約62.0万円増加。最も低かったのは「近畿」で44.9万円増にとどまり、最も増加額が大きい北海道とは17.1万円の差が発生したという。

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