流通ニュースは、流通全般の最新ニュースを発信しています。





賃上げ2024/UAゼンセン正社員5.91%、パート6.45%で計80万人強が妥結

2024年03月14日 15:46 / 経営

UAゼンセンは、3月14日10時現在の2024年春季労使交渉の妥結状況を発表した。正社員127組合(25万8366人)の妥結総合計は加重平均で1万8198円(5.91%)、パートタイマー時給は104組合(53万3617人)の加重平均70.8円(6.45%)となった。

<UAゼンセン結成後最も高い水準と松浦会長>
UAゼンセン結成後最も高い水準と松浦会長

同日行われた記者会見で、松浦昭彦会長は「正社員、パートともにUAゼンセン結成後の2013年労使交渉から最も高い水準となった。13日の第一の山場の前に、イオン労連を中心に29組合が要求満額で妥結した影響が大きい。全国展開している企業がパート時給7%アップを2年連続で行っていることで、相場をリードし、各社に波及した。この勢いを、今後の中小企業の交渉につなげていきたい」と述べた。

正社員127組合のうち68組合で満額回答。うち13組合が満額を超える金額で妥結した。UAゼンセンでは、通年での労使交渉や労務構成・世代間の賃金体系の修正などもあり、満額回答が増えたり、増額があったとみている。

前年と比較できる124組合の妥結総合計は、前年を5246円(1.64%)上回っている。

流通部門、総合サービス部門の妥結総合計はそれぞれ5.9%、6.55%と高い水準を獲得している。

<目に見える処遇改善が必要と原田事務局長>
目に見える処遇改善が必要と原田事務局長

総合サービス部門の原田光康事務局長は「外食産業は、コロナ明けで人流が戻り、業績は堅調なものの、現場は人手不足。人材確保には目に見える処遇改善が必要だ。ベアはもちろん、初任給を増額する企業も増えており、全体の底上げにつながった。働く人が集まる魅力ある業界づくりに労使が協力していかねばならない」と話した。

また、パート時給は、前年と比較できる97組合の加重平均額で10.4円(0.68%)の増加となった。

なお、正社員とパートが同時に妥結した99組合中64組合で、正社員よりパートが率で上回ったという。

さらに、契約社員は妥結した19組合の総合計は加重平均で1万5675円(6.9%)の引き上げとなっている。前年と比較できる17組合の総合計加重平均は、前年を7475円(3.23%)上回っている。

取材・執筆 鹿野島智子

■賃上げ2024の関連記事
賃上げ2024/イオングループ労働組合連合会 永島智子会長インタビュー

関連記事

経営 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧