伊藤園/世界のティーカンパニーに向け新・中期経営計画発表
2024年06月07日 14:23 / 経営
伊藤園は6月3日、伊藤園グループ新・中期経営計画を発表した。2022年6月に公表した「伊藤園グループ 中長期経営計画」を見直し、2025年4月期から2029年4月期までの5年間を対象とする新たな「伊藤園グループ 中期経営計画」を策定した。
「新・中期経営計画」では、長期的な将来像の実現に向けて、より迅速な事業展開を推進する。特に「お~いお茶」は、「世界のティーカンパニー」に向けた第2ステージへの本格的な突入と認識し、グループ全体で連携して世界各国でのグローバルブランド化を加速し、販売国を60カ国以上に拡大する。国内既存事業では、最初の2年間で環境変化に対応した構造改革を実施し、収益性を重視した事業体制を構築することで、連結営業利益率8%以上を目指す。
前・中期経営計画で掲げた5つの重点戦略の基本的な枠組みは変えずに、重点戦略の根底に「サステナビリティ経営の推進」を位置付けて内容を更新・拡充し、中期目標を達成する。
「お~いお茶のグローバル化」では、グローバルマーケティングの展開、グローバル生販体制の構築、茶産地育成事業の進化を実施。「国内既存事業の盤石化」では、国内事業体制の再構築、サプライチェーンの最適化、マーケティングの選択と集中を行う。「新たな事業の創出」では、茶・健康を軸にした新しい価値の提供や資本提携、M&Aによる事業領域の拡大を図る。「経営基盤の強化」では、伊藤園グループのガバナンス、シナジー強化や人的資本経営、DX、リスクマネジメントを推進する。「サステナビリティ経営の推進」では、事業戦略と結合したマテリアリティへの対応により、100年企業に向けた持続的な成長と価値創造を実現する。
財務方針として、収益性の重視、利益とシェアの向上、持続的な成長を目指すための資本効率重視の経営方針に基づき、2029年4月期の定量目標を設定した。5年間累計の営業キャッシュフローは1600億円以上、投資キャッシュフローとして、設備投資550億円、事業投資300億円、財務キャッシュフローとして、株主還元450億円以上(総還元性向40%以上)、有利子負債の返済250億円を目標とした。
財務の健全性を最優先に考えながら安定したキャッシュフローを確保し、株主還元を安定的に行いながら将来の成長へ向けた投資を行い、持続的な成長を図る。また中期的には、原価高騰などの予測される課題に対応しながら、「お~いお茶」ブランドを含む製品全般の強化や事業体制の再構築を通じて、5年間で営業利益率を8%以上に引き上げる。
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