船井電機/破産手続き開始で負債461億5900万円

2024年10月25日 14:14 / 経営

帝国データバンクによると、船井電機は10月24日、東京地裁から破産手続き開始決定を受けた。負債は現在調査中だが、2024年3月期末時点で約461億5900万円。

同社は、船井電機(現商号:船井電機・ホールディングス)から事業の承継を目的に、2023年2月に設立された。前身企業である船井電機は、1951年創業の船井軽機工業のトランジスタ部門を分離し、1961年8月に設立した。

トランジスタラジオの製造販売を皮切りに、ホームステレオなどの音響機器、テレビやビデオなどの映像機器、プリンターやインターネット情報端末などの情報通信機器へと事業の幅を広げ、OEMメーカーとして北米市場をはじめとする海外を主体に事業を展開。米国の大手ディスカウントストアを主力顧客とするほか、国内大手の家電量販店には「FUNAI」ブランドの液晶テレビなどを独占的に販売していた。

1999年2月に大証2部へ株式を上場し、翌年3月には東証1部、大証1部にも上場。DVDレコーダーを中心とするデジタル関連機器の販売が伸長した2005年3月期は年売上高約3535億9200万円を計上していた。

しかし、リーマン・ショック以降は、北米市場での販売不振が続いたうえ、中国のテレビメーカーの台頭による値下げ競争に巻き込まれ、売り上げが減少。液晶パネル価格の高騰も重なって営業赤字が常態化していた。

さらに、米国やメキシコの子会社で不適切会計が発覚するなどガバナンス面にも問題が生じていた。こうしたなか、2021年5月に秀和システムホールディングス(2022年4月に吸収合併)による株式の公開買い付けが成立し、同年8月26日付で上場廃止となった。

2023年3月には、別途100%出資により設立された船井電機が主要事業を承継していた。その後、親会社が脱毛サロンチェーン運営会社を買収していたが、1年足らずで撤退。2024年3月以降は船井電機も含めて役員の入れ替わりが相次ぎ、親会社では同年9月に代表者変更が生じるなど経営体制が混乱していた。

さらに、10月に入り、脱毛サロンチェーン運営会社のネット広告代金の未払いについて、親会社が連帯保証を行っていたことを広告会社が明らかにしたことで、グループ全体に信用不安が拡大。立て直しの見通しが立たなくなり、今回の措置となった。

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