ドコモなど/生成AIで店舗内サイネージ、画像・動画1時間で配信

2024年07月02日 15:40 / IT・システム

NTTドコモとインテージ、台信商店、今村商事の4社は6月28日、生成AIを活用した店舗内サイネージ向け広告配信に関する実証実験の結果を発表した。

5月8日から6月28日に実施した実証実験において、通常1週間程度かかっていた小売業のサイネージ用広告コンテンツ作成時間を、生成AIの活用により画像・動画を含め最短で1時間以内とすることが可能となり、合わせて広告対象商品の売上を最大で3.3倍増加させる効果を確認した。

<店舗内サイネージ設置場所>

小売業では深刻な人手不足が課題となっており、広告コンテンツ作成などの売場づくりまで手が回らない状況が続いている。実証実験では、消費者の購買行動を喚起する売場づくりの1つの手法であるサイネージにおいて、コンテンツを誰でも簡単に作成・配信できる仕組みを導入し、小売業における売場づくりの人手不足への対応と、消費者がより楽しんで買い物できる売場づくりの支援を目指した。

<実証実験の概要>

熊本県と米国でスーパーを展開しているダイノブの「スーパーダイノブ城南店」において、ダイノブが販売強化を希望する商品のコンテンツをドコモが生成AIを活用して作成し、店内3カ所に設置したインテージのサイネージ端末とデジタルサイネージ配信システムを通じ、消費者の購買意欲の促進し販売増につなげる取り組みをした。また、販売結果についてはID‐POSデータを今村商事がダイノブより取得・分析し、その効果についてドコモが検証を行った。

<生成AIの活用による製作工程の短縮(イメージ)>

今回作成したコンテンツでは、生成AIを活用することで作成手順のうち最大で3分の2の工程を半自動化することが可能となり、通常外注すると1週間程度かかる作成時間について、画像・動画の作成を含めて最短で1時間以内に収めることができた。また、作成した広告については表示期間(1商品あたり7日間)において平均で1.2倍、最大で3.3倍の売上増加に寄与することが確認できた。

<広告表示期間中/期間外における売上増減>

今後は秋冬商戦において、10月から第2期として生成AIによる広告生成の品質向上やさらなる自動化に向けた取組みを含めて実証実験を継続し、追加の機能検証として調査対象となる生成AIツールの追加やさらなる運用自動化の検討を行い、その結果について効果検証を実施する予定だ。

インテージは店舗内デジタルサイネージ広告配信のノウハウとマーケティングデータに対する知見を、ドコモは自社が持つ会員基盤を土台にNTTグループが持つ生成AIテクノロジーに対する知見を、今村商事はID-POS分析に関する知見を元に、スーパーの売場づくりのノウハウを持つダイノブと協力し、日本のマーケティング市場に適した店内サイネージ広告の自動生成ソリューションの開発を推進するという。

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