三井不動産/東京・日本橋に食の研究開発支援施設「&mog Food Lab」オープン
2025年02月26日 13:55 / 経営
三井不動産は2月26日、東京・日本橋に食の研究開発支援施設「&mog Food Lab(アンドモグ・フードラボ)」を立ち上げた。
同社は昨年3月に、日本橋を中心とした食のイノベーション創出プロジェクト「&mog by Mitsui Fudosan」を始動しており、その一環で今回、研究開発拠点を開設した。
「&mog Food Lab」は、三井不動産が所有する地上5階建て・延床面積およそ250m2の建物内に、厨房設備や試食会スペース、撮影スタジオなどを備えている。
開始時点で入居するのは、プレミアムノンアルコール飲料を製造する「COLDRAW」、日本の食文化史の研究に取り組み飲食店の運営も手掛ける「食の会」、日替わりの家庭料理を都内中心に提供する「マチルダ」の3社。これらの企業は長期契約で利用する。
建物1階は、調理のほかに商談や試食会などができるダイニング(22.8m2)で、「食の会」が入居する。
2階のフードラボー1(36.5m2)は飲食店と同等の厨房設備を完備しており、「COLDRAW」が入居して新たなドリンクの開発・製造などを行う。
3階のフードラボー2(18.7m2)には「マチルダ」が入居してメニュー開発に利用する。3階にはそのほかにオフィススペース(9.6m2)も備える。
4階には短期貸しのキッチン(23.1m2)やミーティングルーム(9.6m2)があり、5階には撮影スタジオ(13.8m2)やオフィススペース(8.3m2)を構えている。
ダイニングやフードラボ、キッチンには、スチームコンベクションオーブンやブラストチラー(急速冷凍機)など専門機材を設置しており、食の研究開発をしやすい環境になっている。
また、4階のキッチンスペースは1時間6000円(最短3時間から)、5階の撮影スタジオは1時間4000円で貸し出し、短期間の利用にも対応する。
三井不動産日本橋街づくり推進部事業グループ主事の柿野陽氏は、同ラボについて「飲食店レベルの厨房機器があり、入居者は初期投資を抑えて入居後すぐに研究開発を開始できる。研究開発ではレシピを考案したり、試作品を作るが、それ以外に試食会や商談を実施することもあり、パッケージに使う写真を撮影することもある。そうした調理以外の工程も含めてワンストップで実施できる」と述べた。
開発された商品は三井不動産の商業施設や日本橋の飲食店で販売し、新規事業の開発から都市実装までを一括で支援する。
柿野氏は「このラボでさまざまな技術や商品が生まれて、ブラッシュアップされてそれが街に実装されることで、街の価値が高まるという好循環を生み出したい。最終的には本業である街づくりに還元されてくるのではないか」と狙いを語った。
■&mog Food Lab
所在地:東京都中央区日本橋富沢町12-9
構造:鉄筋コンクリート造地上5階建
延床面積:約250m2
取材・執筆 比木暁
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