ウエルシア、ツルハ/25年12月経営統合へ、3年で500億円のシナジー見込む
2025年04月11日 19:36 / 経営
イオン、ツルハホールディングス、ウエルシアホールディングスは4月11日、資本業務提携に関する最終契約と経営統合に関する株式交換契約を締結した。
<2兆円のドラッグチェーン誕生へ>
※左からイオン吉田社長、ツルハHD鶴羽社長、ウエルシアHD桐澤社長
ツルハHDを株式交換完全親会社とウエルシアHDを株式交換完全子会社とする株式交換を行い、ウエルシアHDはツルハHDの完全子会社となる。
株式交換の効力発生日は12月1日。ウエルシアHDは11月27日上場を廃止する予定。
また、イオンはツルハHDの株式を野村証券より353万株追加取得。既に保有しているツルハHD株式967万5200株と合わせて1320万5200株(所有割合26.83%)となり、ツルハHDはイオンの持ち分法適用関連会社となるが、上場は維持する。
ツルハHDとウエルシアHDを合わせて売上高2兆3124億円、店舗数5659の日本最大のドラッグストアチェーンとなる。
経営統合後、2032年2月期に売上高3兆円、営業利益2100億円、営業利益率7%を目指す。
ツルハHDの鶴羽順社長は「ウエルシアHDという良きパートナーを得て、日本最大で最良のドラッグチェーンとなる。イオンが有する食品などの知見、物流インフラをはじめとする資源とスケールメリットを最大に生かし、日本NO.1からアジアNO.1ドラッグチェーンとなりたい」と意気込む。
3社の資本業務提携により、店舗開発・調剤併設化、商品や電力の仕入れ、物流効率化、決済・ポイントシステム・デジタルマーケティング・保険に関する提携、プライベートブランド商品の共同開発、フード&ドラッグ業態開発などを推進する。
提携によるシナジーは「ウエルシアHDとの統合で400億円、イオンとの業務提携で100億円、3年で計500億円の効果を見込む」という(鶴羽社長)。
イオンの吉田昭夫社長は「店舗、物流、情報などスケールメリットを生かし、異なる成長曲線を描かないと生き残れない時代になった。とりわけ、当社の持つ食品のノウハウは(新ツルハHD)の大きな事業成長に資する」と述べた。
ウエルシアHDの桐澤英明社長は「われわれは調剤に強みを持ち、ツルハHDは日用雑貨の品ぞろえが強い。両社の強みに、イオンの食品をいち早く融合させて、より競争力のあるドラッグストアを作り上げることに真っ先に取り組みたい」と話した。
なお、当初経営統合は2027年をめどとしていた。しかし、「米国証券取引委員会の届け出が不要になったため、その手続き分を見込んでいた期間が短縮された。なるべく早く統合したいという思いがあり、その分スケジュールを前倒しした」という(吉田社長)。
また、12月の経営統合後、新生ツルハHDの中期経営計画を発表する予定だ。
取材・執筆 鹿野島智子
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