イオン 決算/2月期営業収益初の10兆円越え
2025年04月11日 15:47 / 決算
イオンが4月11日に発表した2025年2月期決算によると、営業収益10兆1348億7700万円(前年同期比6.1%増)、営業利益2377億4700万円(5.2%減)、経常利益2242億2300万円(5.6%減)、親会社に帰属する当期利益287億8300万円(35.6%減)となった。
営業収益は初の10兆円越となっている。4期連続過去最高を更新している。
全てのセグメントで増収となっている。
営業利益、経常利益は前期の過去最高に次ぐ水準だった。
高利回りな営業債権残高の増加で資本収益性が向上した総合金融事業、増床やリニューアル効果で賃料収入が増加したディベロッパー事業、すべての上場子会社の損益が改善したサービス・専門店事業が増益となった。
親会社に帰属する当期純利益は、構造改革を見据えた特損の影響などにより大幅な減益を計上している。
セグメント別では、GMS事業は、営業収益3兆5594億8100万円(2.6%増)だった。
イオンリテールは通期では前年並みだったが、第4四半期の営業利益は242億円と50億円の増益だった。
食品売り場へのセルフレジの導入がほぼ全店で完了。商品をスキャンしながら合計額を確認し、無人精算機でまとめて支払う「レジゴー」を導入した店舗は、2月末で337店舗となり、DX改革が進んでいる。
イオン北海道は、10月1日に承継した西友の北海道地域の総合スーパー9店舗は営業再開を優先しつつ、限られた期間の中で設備や品揃えの転換を着実かつ効果的に進めた。
イオン九州は、食料品の堅調な推移に加え、新規出店効果や販促強化により売上高は4.3%増、既存店売上高は四半期ごとに右肩上がりに伸長し、第4四半期には4.6%増まで上昇した。
SM事業は、営業収益3兆600億6500万円(10.0%増)となった。
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(U.S.M.H)は11月末にいなげやと経営統合した。これを契機に事業会社間との関係を抜本的に見直し、首都圏最大規模のスーパーマーケットとして強固な経営基盤を構築する体制への移行を進めていく。
フジは、4店舗のスクラップ&ビルドと37店舗の活性化を実施。電子棚札を69店舗(累計90店舗)、セルフレジなどを40店舗(累計377店舗)に導入した。同社は2030年度の営業収益目標として1兆円を目指していく。
マックスバリュ東海は、16店舗を改装し既存店の競争力強化を図るとともに、5店舗を新たに出店し、店舗数は244店舗となった。移動スーパーの台数拡充、ネットスーパー拠点の拡大、「Uber Eats」の活用などによって買物機会の多様化を推進する。
DS事業は、営業収益4114億4700万円(2.8%増)だった。
生鮮食品を中心とした価格競争力の強化による節約ニーズへの対応に注力。単位当たりの安さを追求したケース販売や、大容量商品を訴求しながら、iAEONやAEON Payの活用で顧客利便性の向上を図った。
ヘルス&ウエルネス事業は、営業収益1兆3228億7600万円(7.1%増)となった。
ウエルシアホールディングスは、6月には長野県を地盤に21店舗を展開するとをしや薬局を完全子会社化し、9月にウエルシア薬局が吸収合併。同月にはイオンといなげやからウェルパークの全株式を取得。10月には首都圏にて介護事業を展開するウエルシアパートナーズ(旧東電パートナーズ)を完全子会社化した。
総合金融事業は、営業収益5304億5200万円(9.7%増)だった。
イオンフィナンシャルサービスは、今年3月にコア領域・成長領域への経営資源の集中を図るため、イオン・アリアンツ生命保険の発行済株式の85.1%を明治安田生命保険へ譲渡することを決議し、株式譲渡契約を締結。
ディベロッパー事業は、営業収益4961億7000万円だった。
イオンモールは国内で既存モールの競争力強化を目的としたリニューアルを推進。既存モールの来店客数は前年を上回り、営業収益、営業利益、経常利益が増収増益となった。
サービス・専門店事業は、営業収益7291億5200万円(1.6%増)。
イオンディライトは、グループ内外の顧客内シェア拡大や新規受託物件の増加に加え、人件費や外注費、原材料費などの原価上昇に伴う単価見直しの推進によって増収増益を確保。営業利益、経常利益は過去最高となった。
イオンファンタジーは、プレイグラウンド「ちきゅうのにわ」などの新業態を含む出店が計画を上回って進捗したことで売上高、営業利益ともに過去最高を更新した。
コックスは、ECで4月に自社アプリを刷新し、会員向け施策を強化したことで、自社ECサイトの売上高が14.9%増と伸長。EC全体の売上高は9.0%増となった。
国際事業は、営業収益5488億7500万円(7.9%増)だった。
マレーシアでは、PBの拡販や必需品への販促活動を強化し、モール来店客数の増加に伴うテナント入居率の改善もあり、営業収益は4%増となった。
ベトナムでは、経済成長の加速を背景に、売上高は第4四半期に30.1%増、年度累計では20.1%増と大幅な増収となった。新規出店店舗の好調に加え、既存店も前期比12.9%増と堅調に推移。中でも、衣料品は26.9%増と好調だった。
中国では、成長性の高い内陸部で9月にエンターテインメント機能を充実させて湖南省に初出店した「長沙星沙店」(長沙市)が好調で、「AEON (HUBEI) CO.,LTD.」は通期で経常利益、当期純利益とも黒字転換した。
次期は、営業収益10兆5000億円(3.6%増)、営業利益2700億円(13.6%増)、経常利益2500億円(11.5%増)、親会社に帰属する当期利益400億円(39.0%増)を見込んでいる。
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