H2O/4~6月営業利益は616.4%増、百貨店事業が好調
2023年08月02日 15:56 / 決算
エイチ・ツー・オー リテイリングが8月2日に発表した2024年3月期第1四半期決算によると、売上高1548億1300万円(前年同期比3.7%増)、営業利益47億5800万円(616.4%増)、経常利益51億9200万円(178.0%増)、親会社に帰属する当期利益33億7100万円(417.6%増)となった。
売り上げ面は、百貨店事業では堅調な国内消費に加え、免税売上高の回復が進んだことで売上高が伸びた。食品事業では1点単価の上昇により、既存店は前年を上回って推移し、連結全体で増収だった。
利益面では、百貨店事業の売り上げ伸長に伴う利益改善に加え、各セグメントで大幅な増益となった。
百貨店事業の総額売上高は1235億800万円(13.6%増)、営業利益は32億9600万円(169.3%増)。
新型コロナウイルス感染症の位置づけが、5類感染症となり人流が回復に向かう中、国内売り上げは好調に推移。また、免税売上高も高額商材を中心に回復が進み、コロナ前の2018年度実績を上回った。
阪急本店では、外出ニーズの本格化により全てのカテゴリーが前年を上回って推移した。化粧品を含めファッション全般が好調で、ジュエリー、時計、ラグジュアリーブランドファッションの売り上げも引き続き伸びている。
販売費および一般管理費については、光熱費や売り上げ増加に伴う販売手数料等が増加したものの、宣伝費などのコストコントロールに努め計画を下回った。
食品事業は、総額売上高が1030億9800万円(1.8%増)、営業利益は18億4200万円(332.2%増)。
食品スーパーを経営するイズミヤ・阪急オアシス、関西スーパーマーケットでは、値上げの影響による客単価上昇トレンドの継続と前年はコロナ感染者減少に伴う内食需要の減退により売り上げが苦戦した反動もあり、既存店売り上げは前年を上回って推移している。
イズミヤ・阪急オアシスの既存店売上高前年同期比3.5%増(客数0.2%減、客単価3.7%増)。構造改革途上であるイズミヤと阪急オアシスでは、チェーンオペレーションの徹底による生産性の改善、商圏特性に応じたMD再構築による売り上げ増加と粗利率改善に取り組んだ。
また、さらなる仕入れ統合による粗利率改善、経費の見直しなども行っている。
販売費および一般管理費については、引き続き要員体制の最適化に取り組み、人件費が計画以上の削減となり、前年実績、計画ともに下回ったという。
関西スーパーマーケットの既存店売上高3.7%増(客数1.0%減、客単価4.7%増)。販売費および一般管理費については、光熱費が増加した一方で、全体的なコストコントロールにより、前年実績、計画ともに下回った。
商業施設事業の総額売上高80億8700万円(11.3%減)、営業利益10億2000万円(71.2%増)。イズミヤのショッピングセンター運営と衣料品・住居関連品販売、テナント管理を行うエイチ・ツー・オー 商業開発において、収益力強化、費用の適正化、地域との連携強化に取り組んだ。
テナントの売り上げ拡大に向けた取り組み、新規イベント区画の設置は計画以上の実績となったものの、直営売場の縮小やイズミヤショッピングセンターの店舗閉鎖により減益となった。ビジネスホテルを運営する大井開発では、ビジネス・観光ともに宿泊需要が戻る中、機動的な価格施策による需要の積極的取り込みが奏功し、客室稼働率が90%を超えて推移し、増収増益となっている。
通期は、販売費および一般管理費が、百貨店事業・食品事業を中心にコスト削減に努めた結果、計画を下回って推移しており、利益面を上方修正した。
売上高6750億円(7.5%増)、営業利益前回予想比20億円増の190億円(66.8%増)、経常利益20億円増の185億円(42.3%増)、親会社に帰属する当期利益15億円増の95億円(42.0%減)を見込んでいる。
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