三井不動産/商業施設売上高1兆700億円、商業施設事業の全容

2017年03月07日 17:20 / 流通最前線トレンド&マーケティング

海外では外食文化が主流、日本国内でも飲食比率は上昇

――基本的な流れは、飲食比率が上がっていくというイメージですか。

石神 飲食比率は施設ごとに異なりますが、ららぽーと業態では10%前後です。海外では食事を家でとらない習慣があるため、日本よりも飲食比率が高いです。飲食比率が今後、どうなるかは分かりません。ただ、飲食店へのお客様のニーズが高まれば、比率が高まっていく可能性はあると思います。

物販店舗でもカフェ併設形態もありますので、施設側として、物販区画にも水とガスと電気の設備を入れておく対策も行っています。

――施設のハード面での対応は事前に考えているのですね。

石神 そうです。排気も含めてハード面は整備しています。お客様のニーズに対応できるよう、施設側として飲食店もできる準備をすることが必要だと思います。

――海外と日本でどのくらい飲食比率は違うのですか?

石神 海外の「ららぽーと」は計画段階ですが、飲食比率が高い計画を作り始めています。海外の商業施設の飲食店比率は相当高いと感じています。ちなみに、「三井アウトレットパーク台湾林口」では、住民の方の動向や傾向から、飲食比率を高め、映画館を誘致しました。

<ららぽーと立川立飛のフードコート>

――かつては日本初上陸ブランドや新業態というのを目玉テナントとして打ち出していましたが、最近は目新しい大型テナントがありません。テナントリーシングのポイントは何ですか?

石神 やはり、お客様が何を求めているのかが、もっとも重要なポイントです。昨年10月開業の「ららぽーと湘南平塚」についても、周辺のお客様がどういうお店が欲しいのか、よく調査した上でニーズにあった店舗を誘致しています。

日本初進出というものが減ってきているのは間違いないと思います。初進出は注目されますが、それだけを求めてくるお客様というのは、そんなにいらっしゃらないと思います。

――新業態は重視していますか。

石神 新業態によって施設の魅力が増すのであれば、是非、出店していただけるようにお願いします。それはあくまで、施設を作る上でのひとつの構成要素で、それだけに力を入れているわけではありません。

――無印良品やスターバックスなどいわゆる定番テナントがありますが、そういった定番テナントを重視しているということですか。

石神 商圏にお住いのお客様が欲しいと思うお店を調査した上で、誘致しています。例えば、横浜までいけばあるお店でも、平塚にお住まいの方が、そのお店が身近に欲しいニーズが高ければ、誘致する考え方です。ショッピングの流れの中で、おっしゃるような定番テナントが欲しいというニーズがあることは理解しています。

――かつて日本初進出や新業態ブームのような状況もありましたが、いまはどうですか。

石神 飲食は、日本に未進出のお店も結構あります。国内の小規模な事業者が、路面店をショッピングセンターのフードコート用にアレンジして、新業態として出店することもあります。

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