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三井不動産/商業施設売上高1兆700億円、商業施設事業の全容

2017年03月07日 17:20 / 流通最前線トレンド&マーケティング

共用スペースを活用、ワークショップでテナントのファンをつくる

<ららぽーと海老名のEBICEN flatto>

<SHONAN TREE HOUSE>

――商業施設の共用部分を活用した「ららぽーと海老名」の「EBICEN」の取り組みや、「ららぽーと湘南平塚」の「SHONAN TREE HOUSE」といった新しい取り組みは、どう評価されていますか。

石神 これは是非、継続していきたいと思っています。重要なのは、コミュニティスペースだったり、ワークショップができるスペースだったり、イベントができる施設です。本来、店舗スペースに共用部分を作ると、賃貸面積が減ってしまいますが、ショッピング以外の体験をしていただけるようなトライは、どんどんやっていきたいと思っています。

店内通行量が一番多いところを共用部分に近い形にするのは、議論がありましたけれども、やって良かったと思います。これからの新しい施設、あるいは既存の施設でもトライできるようなスペースがもし出れば、是非やりたいと思います。

――共用部分にコミュニティスペースを設置し、ワークショップを開催して、どんなメリットがありましたか。

石神 やはり、お客様からすると、「ららぽーと」のワークショップに参加するからとか、「ららぽーと」に出かけようという意識付けのような、来場動機を強くもっていただけるところです。

とても手ごたえを感じていまます。テナントさんからも、お客様と直接コミュニケーションをとることができるワークショップなどを実施したいという声も多くあります。施設運営側で、お客様、店舗を結びつけるきっかけづくりをして、交流を促すことで、テナントさんにも喜んでいただける。まさに、弊社が目指す、「Growing Together」という考え方にぴったりあう取り組みだと思っています。

テナントさんもワークショップを行うことでお客様をファン化することができ、WinWinな関係が築けるため、大変、有意義なことだと思います。

――テナント側から見て、三井不動産の商業施設に出店するメリットはなんですか。

石神 それはテナントさんが感じられることなので、私が申し上げることではないと思っていますが、テナントさんに出店したいと思っていただく施設であるためには、お客様から支持される施設であること、あるいは、支持されるように努力している施設であることがポイントだと思います。お客様の支持をいただく努力を我々が継続することが最も重要だと考えています。

弊社の不動産開発の理念に『経年優化』というものがありますが、時間の経過とともに「より良くなっていく」という意味合いの言葉です。商業施設においては、陳腐化することなくお客様にご支持いただけるよう、気持のよい空間と刺激的なコンテンツを常に与えられる施設作りを行うことが、弊社にできる努力であり、これを今後も継続していきたいと考えています。

■石神裕之(いしがみひろゆき)氏の略歴
1957年7月:生まれ(東京出身)
1982年4月:三井不動産入社
2005年4月:商業施設本部アーバン事業部長
2008年4月:商業施設本部業務推進室長
2011年4月:執行役員商業施設本部副本部長
2013年4月:常務執行役員商業施設本部長(現任)
2017年6月:取締役就任(予定)
     (常務執行役員商業施設本部長は継続)

■ららぽーと
http://www.lalaport.jp/

■三井アウトレットパーク
http://www.31op.com/

<主要商業施設の概要>

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