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大手百貨店/10月売上高高島屋、そごう・西武が増、高額品好調

2020年11月02日 16:40 / 月次

三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、エイチ・ツー・オーリテイリング、高島屋、そごう・西武は11月2日、10月の売上速報を発表した。

三越伊勢丹2.8%減、J.フロントリテイリング(大丸松坂屋百貨店)3.7%減、エイチ・ツー・オー(阪急阪神百貨店)2.8%減、高島屋0.7%増、そごう・西武6.3%増だった。

10月度の店頭売上は、外出を控える動きは引き続き継続しているが、昨年10月は消費増税の駆け込み需要の反動があった影響などにより、高級ブランドなどが好調だった。

■三越伊勢丹HD(2020年3月期売上高:1兆1191億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比1.0%増、三越日本橋本店店頭4.2%増、三越銀座店26.9%減などで、三越伊勢丹既存店計2.8%減だった。

仙台三越8.1%増、静岡伊勢丹11.1%増、広島三越14.6%増、高松三越4.9%増、松山三越50.8%減、岩田屋三越2.5%増など、国内グループ百貨店既存店計は2.4%増となり、国内百貨店既存店計は0.6%減となっている。

前年の消費増税後反動に加え、大都市圏の店舗を中心にラグジュアリーブランドや宝飾・時計などの高額品が堅調に推移し、国内百貨店(既存店計)の売上は前年並みを確保した。

伊勢丹新宿本店と三越日本橋本店では、ロイヤリティの高い顧客を中心に宝飾・時計など高額品への購買意欲が高く、客単価は前年を大きく超えた。

また、家の中で過ごす時間を充実させたいニーズの高まりを受けて、クリスマスケーキやおせちの予約販売は好調な滑り出しを見せている。

免税売上は、引き続き低調。前年の免税売上シェアが高い大都市圏の店舗では、免税売上の大幅マイナスが前年売上に届かない大きな要因となった。

■J.フロントリテイリング(2020年2月期売上高:1兆1336億円)
大丸松坂屋百貨店の売上高は前年同月比3.7%減、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の売上高は6.2%減となった。 

前年に消費増税直後の買い控えがあったことの反動や外商顧客向け催事の強化などによりラグジュアリーブランドが対前年2割増、美呉宝が4割増となったものの、コロナ禍における外出自粛やインバウンド消費の大幅マイナスの影響を受け、わずかに前年実績を下回った。

大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は対前年97.4%減(客数99.6%減、客単価約646.1%増)となっている。

■H2O(2020年3月期売上高:8972億円)
百貨店事業の全社計の売上高は前年同月比2.8%減となった。内訳は阪急本店1.1%減、阪神梅田本店10.4%減、支店計3.0%減。

新型コロナウイルスの新規感染者数が、ある一定のレベルで落ち着いているものの、人気の物産催事や海外フェアなどの再開に加えて「Go To トラベル」キャンペーンの後押しもあり、特に両本店の来店客数が徐々に回復している。

阪神梅田本店は、建て替え工事により9階と地下1階の一部を閉鎖という環境の下、人気のワイン催事を試飲のみで開催(販売はEC限定)するなど、安全・安心を意識した新しい取り組みにも挑戦した。

ECでの注文を強化したおせち料理、クリスマスケーキの予約、お歳暮ギフトの受注等も奏功し、EC売上は前年の約2倍(受注ベース)と高伸した。

郊外店全体として、食料品、リビング、子供関連が牽引し、売上高2%増と前年実績を上回った。

神戸阪急・高槻阪急への屋号変更から1周年となり、特に高槻阪急は依然食料品売場の支持が高く、前年開業時の実績が大きいものの前年実績を上回った。

インバウンドは、国慶節による実績が大きく、売上高前年比91%減と減少幅が拡大している。

阪急本店は、 来店客数はまだ前年には届かないものの、インバウンドを除く国内売上高は前年比15%増と、回復が顕著。特にラグジュアリーブランドが前年2桁増と牽引しており、売場改装で強化した時計売場も前年の売上の約2倍と好調を継続している。

9月30日からは、9階祝祭広場、催場をはじめ、大型催事を再開。3密対策を十分に実施しながら「北海道物産大会」「英国フェア」などの人気催しを復活した。オンラインも活用し売上も想定通りに推移している。

OMO施策の1つでもあり、店頭の商品をWEB上で紹介する「WEBからログ」の取り扱いカテゴリー(レディス・メンズのラグジュアリーファッション、リビング、ベビー&マタニティなど)を拡大した結果、PV数も想定以上で反応もよく、好調なスタートを切った。

また、WEB決済サービス「Remo Order」も着実に認知度が高まり、受注売上も前月比1.5倍以上に伸長。40万円超の高額バッグ、アパレルも稼動し、期間限定イベントにおける、取引先SNSもフックにした遠方客の利用も高まってきているという。

■高島屋(2020年2月期売上高:9190億円)
高島屋単体11店の売上高は前年同月比0.7%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、高崎高島屋を含めた14店の既存店売上高は1.0%増となった。

10月度の店頭売上は、外出を控える動きは引き続き継続している一方、昨年は消費増税の駆け込み需要の反動があった影響などにより、13カ月ぶりに前年を上回った。

店舗別売上は、大型店では京都店、日本橋店、横浜店が前年を上回った。なお免税売上のマイナス影響が大きい大阪店、新宿店は前年を下回っている。

免税売上は前年比92.7%減、免税を除いた店頭売上は9.3%増となった。

商品別売上(同社分類による15店舗ベース)には、特選衣料雑貨・宝飾品・リビングなどが前年実績を 上回った。一方で、紳士服・紳士雑貨・婦人服・婦人雑貨・食料品などは前年に届かなかった。

■そごう・西武(2020年2月期売上高:6001億円)
そごう・西武11店の売上高は前年同月比6.3%増、西武池袋本店は4.0%増となった。

昨年、増税後の落ち込みがあった影響で、高額商材を扱う領域を中心に前年売上を大きく上回る結果となった。

商品別にみると、高級雑貨が前年比で約80%増、プレステージブランドは約35%増、インテリアは約25%増だった。

一方、在宅勤務や外出を控える動きを受けて衣料品は停滞気味。衣料品計で5%減にとどまった。

免税利用売上高は75%減、客数は95%減となっている。

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