JR東日本は2月23日、グループ共通ポイントサービス「JRE POINT(ジェイアールイー・ポイント)」を開始した。
JRE POINTは、加盟店での利用時に税抜100円で1ポイント貯まり、1ポイント1円から利用できる共通ポイントカード。12歳以上であれば誰でも入会でき、JRE POINT加盟店で、その場でポイントカードを即日発行する。
ポイントの有効期限は、最終利用日から自動延長で2年間となるため、ポイントがためやすいのが特徴。
現在、JR東日本では、駅ビルで19種類のポイントカードを発行するほか、電子マネーのSuicaのSuicaポイント、クレジットカードのビューカードのビューポイント、ネット通販のえきねっとのえきねっとポイントやグループ運営ホテルのポイントなど、24種類のポイントを展開する。
これまでは、500ポイントごとに商品券を発行する施設が多く、有効期限も短かったが、JRE POINTは、貯まりやすく、使いやすく、わかりやすい、ポイントサービスを目指した。
グループ合計の会員数は、複数枚を所有する重複を含め、約1800万人となっている。JRE POINTは、既存カードからの切り替えを含め、数年間で1100万人の会員獲得を計画する。
2月23日から、駅ビルの「アトレ」「アトレヴィ」を運営するアトレが運営するアトレクラブポイントやジェイアール東日本商業開発が運営する「グランデュオ」のポイントなどをJRE POINTに切り替えることを中心に、新規会員の募集も含め、開始する。
アトレ・アトレヴィ全店、ボックスヒル取手、シャポー(市川・船橋)、テルミナから導入を開始。3月1日からグランデュオ全店、4月からシャポー小岩にも導入する。
ポイント制度はシステム統合に時間がかかるため、数年間をかけて、電子マネーのSuicaのSuicaポイント、クレジットカードのビューカードのヴューポイント、ネット通販のえきねっとのえきねっとポイントなど、JR東日本グループが展開するポイントを統合する予定だ。
ポイントの統合では、現状のポイントサービスの利用方法を残しつつ、ポイントの使用方法の選択枝として、1ポイント1円で使用できるJRE POINTのサービスを加えることを想定する。
JR東日本は現在、駅ビル157館を運営。駅ビルショップは約8500店となる。駅構内店舗は約1400店、飲料自販機は約7600台を展開している。
これまで、個別のサービスごとに異なっていたポイントを共通化することで、駅利用客の利便性の向上や各商業施設間の買い回りを目指す。
顧客へ付与するポイントの原資については、JR東日本と加盟店で負担するが、負担割合については、各商業施設で異なる。
ポイントサービスは、Tポイント、ポンタ、楽天ポイントを中心に、異業種を取り込んだポイントの陣営作りを行っているが、JRE POINTは、グループ内での運用を想定する。
ポイントカードの情報は、グループ内での商品・サービス・販促などのマーケティング活動に活用する予定で、他社への提供は予定していない。
現在は、一部のカードを除き、電子マネーSuicaや定期券、各種クレジットカードとJRE POINTカードは、個別に持つ必要がある。
ポイントカードの発行数は増加傾向にあり、顧客のポイントカード所有枚数も増加しており、1枚のカードにポイントカード機能を集約したいという要望も強い。
将来的には、電子マネーSuicaやクレジットカードにポイントカード機能を紐づけするシステムを構築する予定だ。
2月23日~3月31日にJRE POINTスタートキャンペーンを開催。JR東日本として、初めてポイントの使用期限がある期間限定ポイントを活用し、最大で総額7000万円相当のポイントプレゼントキャンペーンを実施する。
期間限定ポイントの有効期限は、付与日から30日間。ポイントサービスとしては、知名度が低いため、使用期限のある期間限定ポイントを導入することで、ポイントの認知度を高めたいという。
JR東日本グループのポイントサービスは、複数のサービスが組み合わさる仕組みで、お客が還元率を知りずらい課題があった。
例えば、千葉駅の商業施設「ペリエ」では、ビューカード決済でSuicaにチャージすることで、ビューサンクスポイント1.5%、チャージしたSuicaの買い物でSuicaポイント0.5%、ペリエカードでペリエポイント1.0%、合計3.0%の還元率。1000円の買い物で、最大で30円が還元される。
JRE POINTを導入することで、ポインサービスのお得感を分かりやすく伝えたいという。
JRE POINTの開始に合わせて、新規でポイント制度を導入する「市川シャポー」、「船橋シャポー」で、先行してJRE POINTの会員募集を行ったところ、6000人程度の募集想定が、1万4000人と大きく想定を超える会員が集まった。
駅ビルは、各地域で長い歴史を持って運営する施設も多いため、各駅ビルごとにポイントカードを発行するが、各商業施設の固定客が多いため、新規会員募集も期待できるという。
グループのポイントを共通化することで、各沿線の商業施設間での相互送客や鉄道サービスと連携した、新たなサービスも提供する予定だ。
■JRE POINT
https://www.jrepoint.jp/
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