F&LC 決算/10~3月営業利益58.9%増、都市型出店を加速・中国での業績回復

2025年05月09日 16:32 / 決算

FOOD&LIFE COMPANIESが5月9日に発表した2025年9月期第2四半期(中間期)決算によると、売上収益2038億1400万円(前年同期比15.8%増)、営業利益195億3500万円(58.9%増)、税引前利益182億600万円(58.2%増)、親会社に帰属する当期利益118億6900万円(63.1%増)となった。

<山本社長>
F&LC

国内スシロー事業の売上収益は1290億9700万円(8.5%増)、セグメント利益は111億7800万円(39.8%増)。

既存店売上高7.2%増と好調を維持している。ブランドやオペレーションの強化、魅力的な販促・キャンペーンの実施に加え、デジローやオートウェイター(タッチパネルから注文した商品が直接席に届くシステム)の導入が進んだことが奏功した。

新店については、都市型店舗を中心に出店しながら計画通りに進んでおり、業績も順調だという。

好調要因について山本雅啓社長は「ブランドが届ける価値が何かを見つめ直し、美味しさの追求や、それを店舗で再現するためのオペレーションへの落とし込みなどに取り組んだ。これがじわじわと結実してきたというファンダメンタルな理由だと考えている。IPを利用した新しい顧客の取り込みも上手くいった。店舗の出店戦略も都市型を中心に、予定通り順調に推移している。

デジローの導入も、お客様の数や売上が上がる結果が出ており、そういうところから利益率の維持・向上が見込める。今後も都市型を中心に出店を加速していく。まだまだ成長が見込める。郊外も店舗数を増やす」と述べた。

スシローでは、全農パールライス全面協力のもと専用米を確保しており、専用米がスシローで使用する米に占める割合は2024年時点で約40%ほどに上る。海苔を始めとした原材料の高騰に対しては期初より対策をとっており、コストコントロールに取り組んだ。

海外スシロー事業の売上収益は588億700万円(41.5%増)、セグメント利益は63億7100万円(98.7%増)。

各エリアとも順調に推移したが、特に中国大陸で業績が大幅に改善した。2月にはマレーシアに1号店をオープンし、積極的な出店を継続している。人材教育にも注力し、海外での経営幹部育成にも勤しむ。

<加藤副社長>
F&LC

なお中国では、2023年8月の日本によるALPS処理水の海洋放出を受け、日本の水産物の輸入を全面停止した。そのため中国のスシローでは現在、100%中国産の食材を使っている。中国国内の資源でスシローの品質を向上できる提携先、業者を含めてルートが確保できているという。

加えて、人的資本経営に注力している。人材確保と育成の仕組みを確立することで、他社よりもサービス面で優位に立ち、市場での評価につなげた。加藤広慎副社長は「中国ではサービスをいかに磨きをかけるかということで(競合との)差別化を図った。日本ではサービスを受けることが当たり前だが、中国でも良くないサービスはやはり嫌だという共通認識がある」と語る。

京樽事業の売上収益は120億6100万円(2.2%減)、セグメント利益は4500万円(8.9%減)。

京樽ブランドでは、京樽が誇る「上方鮨」の定番メニューである押し鮨を冷凍した「冷凍 焼鯖鮨」が、第1回「日本全国!ご当地冷凍食品大賞2024-2025」にて優秀賞を受賞。みさきブランドでは、ロードサイドでの出店余地拡大を目指し、「回転寿司みさき 三郷店」を1月にオープンしている。

通期は、米価を中心とした原材料価格や人件費の上昇等の影響はあるものの、堅調な国内外スシロー事業の状況を踏まえ、通期連結業績について見直した結果、業績予想を上方修正した。

売上収益は80億円増の4160億円(15.2%増)、営業利益は65億円増の325億円(39.0%増)、親会社に帰属する当期利益は40億円増の190億円(29.8%増)を見込んでいる。

F&LC 決算/10~12月増収増益、国内外のスシロー事業が好調

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