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イオン/2023年2月期は営業収益9兆円、GMS・専門店事業は黒字転換へ

2022年04月08日 19:38 / 決算

イオンが4月8日に発表した2022年2月期決算によると、営業収益8兆7159億5700万円(前期比1.3%増)、営業利益1743億1200万円(15.8%増)、経常利益1670億6800万円(20.4%増)、親会社に帰属する当期利益65億400万円(前期は710億2400万円の損失)となった。

<吉田昭夫社長>
吉田昭夫社長

営業収益は、コロナ前の過去最高を更新し8兆7000億円台となった。親会社株主に帰属する当期純利益は、前年より775億円の大幅改善で黒字転換している。

同日行われたWEB決算説明会で吉田昭夫社長は、「想定以上にコロナの影響が長引き、営業利益・経常利益は期初予想を下回った。次期は、現在グループ計700億円以上の売上となったネットスーパーの強化、トップバリュのリ・ブランディング、まん延防止法が明けて戻ってきた旅行需要の取り込み、ワンストップ型ショッピングへの対応など顧客ニーズをしっかりとらえるという基本に戻って推進していく」と述べた。

売上面はヘルス&ウエルネス、ディベロッパー、サービス・専門店が増収に貢献。SM、DSはコロナ前の2019年度対比で増収だった。

利益面では、ヘルス&ウエルネス、総合金融、GMS、ディベロッパー、サービス・専門店が増益。収益性改善の取り組みで、総合金融とGMSが大きく損益改善した。

GMSは、営業収益3兆3004億5000万円(1.8%減)、営業損失23億2100万円(前期より87億9400万円の改善)。食品売上の伸長、衣料荒利益率の改善により営業総利益段階で192億円の増益。経費はコロナ前水準から大きく削減している。既存店売上は前期比1.7%増となっている。

SM事業は営業収益2兆5206億7800万円(1.1%減)、営業利益305億3900万円(26.7%減)。DS事業は営業収益3881億1100万円(2.3%減)、営業利益27億5900万円(38.6%減)。内食需要に対応しコロナ前対比で大幅増益となった。ネットスーパー、オンラインデリバリーなど販売形態を多様化している。ミニストップは韓国、フィリピンでの事業を終了した。

ヘルス&ウエルネス事業は、営業収益1兆310億2000万円(7.8%増)、営業利益419億900万円(0.9%増)。ウエルシアホールディングスと同社連結子会社では、調剤併設店舗数の増加(2月末1844店舗)により処方箋受付枚数が引き続き増加し、調剤売上高は前期比14.4%増と大きく伸長している。

総合金融事業は、営業収益4725億4900万円(3.1%減)、営業利益617億9100万円(44.9%増)。WAON POINTを活用し会員獲得、稼働化を促進。国内カード有効会員数は3000万人を達成した。

ディベロッパー事業は、営業収益3667億4300万円(12.1%増)、営業利益388億7000万円(8.8%増)。中国の既存モール専門店売上が伸長し、ロックダウンなどで低迷したアセアン事業、2019年レベルまでは戻っていない国内事業をカバーした。

サービス・専門店事業は、営業収益7034億4700万円(9.6%増)、営業損失27億3000万円(前期より149億4900万円の改善)。前年に大規模な臨時休業、時短営業を実施した各社の損益が改善している。

国際事業は、営業収益4122億3200万円(0.5%減)、営業利益55億9200万円(7.8%減)。中国は制限地域の拡大、香港での飲食規制緩和などが影響した。アセアンは第4四半期に売上が回復、経費抑制も進んでいるという。

次期は、営業収益9兆円(収益認識に関する会計基準変更のため前期比較なし)、営業利益2100億~2200億円(20.5%増~26.2%増)、経常利益2000億~2100億円(19.7%増~25.7%増)、親会社に帰属する当期利益250億~300億円(284.3%増~361.2%増)を見込んでいる。

営業収益は、旧収益基準では9兆2000億円(2021年2月期比5.6%増)を想定。各段階利益はコロナ前水準へ戻り、全てのセグメントで増益の計画、GMSとサービス・専門店事業は黒字転換すると予想している。

利益予想は、サプライチェーン上の不確実な状況を考慮し、幅を持たせている。

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