コロワイド/3月期は事業損失1億9600万円、事業ポートフォリオ最適化を推進
2023年05月12日 17:20 / 決算
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コロワイドが5月12日に発表した2023年3月期決算によると、売上収益2208億3000万円(前年同期比25.7%増)、事業損失1億9600万円、四半期損失85億7900万円、親会社に帰属する当期損失68億100万円(前期は14億3700万円の利益)となった。
店舗施策としては、都心よりも郊外、アルコール利用よりも食事利用の需要回復が早い状況を踏まえ、店舗立地の見直しによる出退店を進め、居酒屋業態店舗のレストラン業態への転換を進めるなど、消費者ニーズに対応した事業ポートフォリオの最適化を図っている。清潔感や広い空間を意識した改装を積極的に推進。自動案内システムの設置や配膳ロボットが最大限活用できるレイアウトへの変更、完全キャッシュレス店舗を新たに開発するなど、顧客の体験価値を高めるだけでなく生産性も高める投資を進めている。
営業施策としては、インバウンドの需要回復をいち早くキャッチして、国内外の旅行業者と提携することでパッケージツアーにおける食事の場の提供を進めている。食事利用や小グループ利用への需要シフトを踏まえ、居酒屋業態においても食事メニューを強化するとともに、アルコール関連商品に関して低価格を訴求。食事とともに気軽に楽しめる居酒屋業態へと転換を図っている。引き続き従業員の適切な配置転換並びに適正労働時間の算出に基づく、人材の活性化及び人件費の抑制も行う。
原材料及び物流費の上昇に対しては、グループ・インフラの整備を継続している。昨年10月にはコロワイドMD研究所を設立し、グループ各社の原材料の共通化や規格の統一、食材を起点とした歩留まりの向上を意識したメニュー開発、原材料廃棄ロスの低減などを実施。食材配送拠点の集約や配送頻度の最適化にも努め、さらなる物流効率化に向けた取り組みを継続的に行っている。
海外事業については、いずれの国・地域も当連結会計年度中盤から行動制限や入国制限などの規制緩和が進み、回復基調に転じた。情勢に合わせた販売戦略の効果もあり、多くの地域でコロナ禍前の売上水準に戻ってきたという。
店舗の出退店は、直営レストラン業態を56店舗及び直営居酒屋業態を2店舗、合計58店舗を新規出店した。一方、直営レストラン業態を49店舗、直営居酒屋業態を80店舗、合計129店舗を閉店。その結果、連結会計年度末の直営店舗数は1362店舗、FCを含めた総店舗数は2640店舗となった。総店舗数に占めるレストラン業態の比率は89.5%、居酒屋業態の比率は10.5%と着実に事業ポートフォリオの最適化を進めている。
加えて、2024年3月期以降の抜本的な収益改善に向け、一過性の費用として減損損失70億6100万円を計上。過去数年にわたり店舗などの固定資産に対する減損損失を計上してきたが、コロナ禍が沈静化した後の市場環境に対する見通しが、より明瞭になりつつあることを踏まえ、将来的にリスクが生じる恐れがあるものを含め今回処理した。これには事業ポートフォリオの見直しなどによる、2024年3月期の閉店予定37店舗分も含む。
さらに、連結子会社であるレインズインターナショナルにおいて、コロナ禍からの業績回復状況を踏まえ将来的な計画を見直した結果、同社の居酒屋業態に係るのれんに対し7億9000万円の減損損失を計上した。
次期は、売上収益2450億500万円(10.9%増)、事業利益79億6700万円、当期利益31億8600万円、親会社に帰属する当期利益11億3000万円を見込んでいる。
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