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ココカラファイン/ツイッタークーポンがコロナ禍の店舗送客に貢献

2021年04月02日 16:30 / 流通最前線トレンド&マーケティング

現在、新型コロナウイルス感染症拡大の影響などで、小売店舗は大きな変革期を迎えている。コロナ禍以前に比べ感染防止・衛生対策などから、デジタル化による業務効率性アップ、非接触でのサービスの充実といった安全安心な店舗を実現するため、新たなチャレンジが求められている。今回、ツイッターを効果的に利用し、集客・売上アップにつなげているココカラファインの挑戦について聞いた。

ココカラファインヘルスケア 武村 静恵 氏

ツイッターフォロワー数を倍増させた「エコーズ」とは

新型コロナウイルス感染症拡大前は、集客・売上向上のための販促といえば、店舗でのPOPなどの販促物、試飲・試食といった体験会などリアルな体験、新聞折り込みチラシなどとデジタル施策が併用されてきた。withコロナが日常化する中、顧客と従業員の安心・安全を守るため、デジタルを利用した販促の重要性がより高まっている。

また、感染防止のため、買物回数を減らし、目的買いをすることが増えた生活者へ、店舗に来る前に情報をいち早く伝え、事前に買物リストに加えてもらうことも必要になってきた。そこで、ココカラファインは、アライドアーキテクツの販促・売上増に繋げるツイッターのインスタントウィンキャンペーンツール「echoes(エコーズ)」を導入。1年でフォロワー数を導入前の7~8万人から約16万人まで伸ばし、店舗送客につなげている。

「もっと、ココカラファインの情報拡散力を強め、フォロワー数を増やすためどういった仕組みを使えばよいかと検討しており、昨年4月エコーズの採用を決定しました。その結果、フォロワー数増、リツイート数増による情報拡散力アップという大きな効果が挙げられました。加えて、エコーズのDM送信や抽選作業の自動化機能により、事務局の負担が軽減したのも大きかったです」と力強く語ってくれたのはココカラファインヘルスケア ドラッグ事業本部 商品・店舗企画部 販促チーム 全社販促 運営担当の武村静恵氏だ。

エコーズを2020年4月本格導入したことにより、ココカラファイン公式アカウントのフォロワー数が倍増。ツール導入による自動化によりキャンペーンの実施回数も増え、導入前2カ月に1回だったのが、月3~4回ペースで実施できるようになったという。

また同社では従来、ツイッター上でクーポンが当たるキャンペーンを実施していた。しかし、「クーポンをプレゼントするものの、ユーザーの使用率の低さが課題でした。ツイッター上では店舗のクーポンは需要が少ないのかと思っていましたが、フォロワーにアンケートを行うと、やってほしいという意見が多かったのが『クーポンのプレゼント企画』でした。ただプレゼントするだけでは、ユーザーに情報が届いていなかったのだと思い、クーポン配布の仕組みを変えるため、来店アクションが期待できるエコーズ導入に踏み切ったのです」と武村氏は話す。

エコーズ利用キャンペーンの何が顧客をとらえたか

エコーズは、アライドアーキテクツが提供する、2018年3月に開始したツイッターのインスタントウィンキャンペーンツール。キャンペーンの当落を自動的に即時発信、すぐに当選・落選がわかり毎日参加できる形式とすることで、より多くのユーザーの参加、情報拡散に繋げられる、ツイッターを使ったキャンペーン施策を支援するシステムだ。

機能の組み合わせにより、施策目的に応じたアクションを促すことができ、キャンペーンの企画を自由度高く実施できる。

<エコーズのサービス概要図>
ココカラファインエコーズのサービス概要図

クーポン使用率が上がりやすく、大きな拡散が見込めるインスタントウィン形式を採用することで、客数向上にも貢献。2021年3月までに外食、ドラッグストア、スーパーマーケットといった幅広い業界で約200社が採用している。

「インスタントウィン形式には3つの魅力があります。1つ目は、即時抽選方式は、キャンペーン参加率が高くなります。目の前でスクラッチを削ればすぐ当落がわかる紙のくじに参加したくなるのと同じ心理です。2つ目は、毎日参加型キャンペーンができることです。キャンペーン期間後に当選がわかる形式だと、キャンペーン期間中リツイート1回と参加回数が限られますが、毎日のインスタントウィン方式だと、キャンペーン期間が30日だったら、期間中30回リツイートのチャンスがあり、拡散率が高くなります。事後抽選キャンペーンよりも、パフォーマンスがシステムとして担保できるのがポイントです。3つ目は、キャンペーン事務局の負担の軽減です。キャンペーンの運用は労力がかかります。事後当選がわかる形式のキャンペーンでは、当落をスタッフがエクセル管理など目視で行うのが一般的ですので、事務局の負担を減らすことができます」と話すのは、取材に同席した、アライドアーキテクツのプロダクトカンパニー Promotion本部副本部長 Promotion事業部長の鈴木悠真氏だ。

<インスタントウィン形式には3つの魅力があると鈴木氏>
インスタントウィン形式には3つの魅力があると鈴木氏

インスタントウィンキャンペーンは、フォロワー増加・認知拡大施策として多くの企業で実施されているが、一方で「フォロワーが増えた」「たくさんリツイートされた」という結果だけではなく、販促に繋がる成果や売上貢献が求められている。アライドアーキテクツでは、ツイッターインスタントウィンのキャンペーンツールと運用・コンサルティングサービスを提供することで、この課題に対応。特に、デジタル型の消し込みクーポンは、当選者に割引などのクーポンを配布し、キャンペーンをきっかけとして来店してもらう効果が高く好評を得ている。当選者に独自のURLを発行し、店舗でスワイプするとチケットをもぎるのと同じ効果があり、1人1回のクーポン利用を担保、不正利用を防止できる。

<デジタル型の消し込みクーポンで不正利用を防止>
デジタル型の消し込みクーポンで不正利用を防止

さらに、POSとクーポン利用を連動させると、売上への貢献も確認可能。フォロワー、リツイートが増えるだけでなく、ツイッターキャンペーンをきっかけに、どれだけ来店したか、どれだけユーザーが消費したかがわかる。デジタルで集客しながら、それをきちんとオフラインにつなげることができる強みを持つ。

「エコーズを利用したツイッターキャンペーンの強みは、顧客との接点を広げられる点にあると思っています。ココカラ公式アプリでもクーポンを配信していますが、アプリ会員にしか情報が届かず、利用も限定されます。ツイッターキャンペーンは、アプリ会員も非会員も参加できます。今まで当社と接点がないお客様もツイッターキャンペーンをきっかけに来店してくれます」と取材に同席してくれた、ココカラファインヘルスケア ドラッグ事業本部 商品・店舗企画部 販促チーム 全社販促 運営担当の坂内芳則担当課長はいう。

<ツイッターキャンペーンがアプリ会員の獲得につながると坂内氏>
ツイッターキャンペーンがアプリ会員の獲得につながると坂内氏

「インスタントウィンキャンペーンをフックに、当社を知ってもらい、即時抽選でクーポンが当たったから、使ってみようかなという消費行動をとるお客様も多いので、アプリ会員獲得につながります。アプリ会員にならなくても、クーポンを利用するために来店してもらうことで客数がアップします。フォロワーの増加で、リーチできるお客様が増えるのです。当社の公式ツイッターでは、キャンペーンなどのお得情報だけなく、感染予防のためのキャッシュレス決済の訴求、マスクの正しいつけ方、正しい手洗いの仕方を説明した動画なども投稿しています。以前から、ヘルス&ビューティーの情報を発信していましたが、新型コロナウイルス感染症拡大という状況でタイムリーに、健康に関する情報を訴求することで、動画閲覧も伸び、フォロワー増加につながっています」と坂内氏は話す。

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