湖池屋/「スコーン」30年ぶりにブランド一新、スナック離れに一撃
2018年11月29日 15:45 / 商品
湖池屋は11月29日、1987年発売のロングセラーブランド「スコーン」を刷新し、新時代の到来に向けた新世代「スコーン」として発売すると発表した。
2019年2月11日から「スコーン がっつきバーベキュー」「同憧れのクアトロチーズ」「同どはまり濃いもろこし」を全国・全チャネルで発売する。各75g・オープン価格(実勢参考価格税別112円前後)。
佐藤章社長は、「スナック菓子のメインユーザーである10代のスナック離れが進んでいる。スマホを見ながらスナック菓子を食べており、手が汚れることがネックとなっている。スマホが汚れない『スコーン指サック』やブランド初のマスコットキャラクターなど若者に寄り添ったマーケティングで、若者No.1スナックを目指す」と語った。
現在、スコーンの売上高は約30億円だが、リニューアルによる40億円を目指す。
今回、ブランドマスコットキャラクターにお笑い芸人のくっきーさんを起用。架空の私立スコーン学園を設定し、若者をイメージした情報発信を行う。
小池孝会長は、「昨年発生したじゃがいもの不作により店頭からポテトチップスが消えるポテトショックの影響で、今年はポテトチップスの売上が伸びているが、その反動もありその他のスナック菓子は苦戦している。明治のカールが2017年8月に東日本での販売を中止し、今年は森永のチョコフレークも残念ながら長い歴史の幕を閉じる発表があった。ポテトチップス以外のスナック菓子を元気にするため、スコーンをリニューアルする」と語る。
ポテトチップスの市場は2017年4月に発生したポテトショックの影響で一時的に売上を落としたものの、ポテトチップスへの関心が高まったこともあり、2018年は2016年対比で8%以上増加している。
カラムーチョ、すっぱムーチョといった個性的なブランドが好調で、2018年は初めて国内売上が100億円を突破し、海外も好調なためブランド全体で135億円に拡大している。
昨年、プレミアムブランドとして発売した「プライドポテト」や今年投入した「じゃがいも心地」が好調なほか、TUBE、B’Zとコラボした商品、ムンク展とコラボした商品など話題性のある商品も売れている。
一方で、ポテトチップス以外の商品は、ポテトショック以降、減少しており、2016年対比では10%以上、市場が縮小している。
佐藤章社長は、「同業他社を含めてポテトチップス以外のロングセラーブランドが苦戦している。また、若者のスナック離れも進んでいる。肉まん、バーガーといったホットスナックや拡大を続ける中食が競争相手となっている。スコーンも高齢化をしており、スコーン市場初の大リニューアルを行う。ポテチなんてぶっ飛ばせというくらいの勢いで、スコーンを訴求したい」と述べた。
湖池屋が行ったスナック購入頻度の調査によると、1年前にくらべてスナック購入頻度が「減った」「やや減った」と答えた15~19歳は、合計で33.7%となり、20~24歳の22.1%、25~29歳の16.3%を大きく上回った。
スコーン和風バーベキューの購入者を調べたところ、10・20代の購入比率は2008年は18.6%だったが、2018年は11.4%に減少した。一方で、30代以降は2008年は32.7%が2018年は48.7%に増加した。
リニューアルでは、デザインを一新し、生地はとももろこし本来の香ばしさや甘さが味わえるスーパースイートコーンを配合したものを採用した。
がっつきバーベキューは、肉原料を追加し、「濃厚さ・香ばしさ」を維持しつつ旨みと食べ応えを強化した。
憧れのクワトロチーズは、4種のチーズパウダーを使用し、塩立ちのあるチーズ味に仕上げた。
どはまり濃いもろこしは、スウィートコーンの甘みや香ばしさを強化した。
マーケティングでは、「青春のパワースナック」の象徴であり、若者との情緒的な結びつきを強化する「燃え」キャラ「ハラペコング」を起用した。
今後、TVCM、ラジオ、街頭ボード、WEB施策キャンペーンを展開し、架空の学園スコーン学園を舞台に、若者に寄り添うスコ学コミュニケーションを展開する。
また、スナックをどんな場面で食べているかを調べたところ、「テレビを見ながら」50.0%に続き、「スマホ・タブレットを使いながら」が34.0%で、スマホを見ながらスナックを食べる人が増加していた。
スナック菓子を食べる時の不満点を調べたところ、「手が汚れる」が64.1%でダントツの不満点だった。
そこで、リニューアルに合わせて、最新デバイス、スコーン専用「指サック」を開発して、スナックの粉が指に付着することなく、スマホを利用できる提案をする。
「指サック」はプレゼントキャンペーンも予定している。
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