公取委/コンビニ24時間営業で独占禁止法適用の可能性に言及

2019年04月25日 17:20 / 行政

公正取引委員会は4月24日、事務総長定例会見を行い、コンビニの24時間営業について独占禁止法の適用対象となる可能性に言及した。

<公取委のホームページ>
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質疑応答の中で記者の質問に対して、山田昭典事務総長が答えたもの。

コンビニの24時間営業について、オーナー側が見直しを求めた場合に、本部が一方的に拒否して不利益を被るような形になったときというのは、独占禁止法の適用対象になるのかという質問に答えた。

山田事務総長は、「コンビニの24時間営業を巡る問題については、社会的に大きな関心を呼んでいるということは承知している。独占禁止法の中で優越的地位の濫用という規定があり、いわゆるフランチャイズの業態についてガイドラインも公表している」。

「これまで、いわゆるコンビニエンスストアの本部に対して、今の24時間の問題ではないが、独占禁止法違反ということで法律を適用したこともある」と述べた。

その上で、「今の質問については、それぞれ個別の事情に応じてその判断をせざるを得ない部分があるかと思う。24時間営業を本部が決めているからということで、一概に独占禁止法上の問題になるというものではないというふうに理解している」。

「その一方で、契約期間中に事業環境が大きく変化したことに伴って、オーナー側が、優越的地位にある者に対して、契約内容の見直しを求めたにもかかわらず、その優越的地位にある者が見直しを一方的に拒絶することが、独占禁止法に規定する優越的地位の濫用の一つの形態である『取引の相手方に不利益となるように取引を実施すること』に該当する場合には、独占禁止法上の優越的地位の濫用に当たる。そうした可能性は排除はされないと思う」との見解を示した。

また、フランチャイズ本部がどういう対応をすれば、独占禁止法の対象にならないのかという質問に対しては、「この問題に限らず、優越的地位の濫用全般にいえることで、取引上の地位が勝っている側が劣位にある人との間で交渉等を行う場合には、相手方の言い分、それから、内容をきちんと説明するということと、相手方の理解をきちんと得るということが大事だろうと思う」とコメントしている。

公取委の見解に先駆け、労使紛争の解決と調整に当たる中央労働委員会は3月15日、「フランチャイズ契約を締結し、コンビニエンスストアを経営する加盟者は、労働組合法上の労働者には当たらず、会社が、加盟者を主な構成員とする組合からの団体交渉申入れに応じなかったことは、団体交渉拒否には、当たらない」との判断を示している。

一方で、中労委は「顕著な事業者性を持つ者であっても、事業の相手方の規模等によっては、契約内容が一方的に決定されるなどして交渉力の格差が発生することはあり得るが、そのような交渉力格差は、使用者と労働者との間の交渉力格差というよりは むしろ、経済法等の下での問題解決が想定される、事業者間における交渉力格差とみるべきものである」と指摘していた。

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