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コンビニ/事業承継・廃業・転業などオーナー「引退モデル」も課題

行政/2019年12月25日

経済産業省がこのほど公開した、新たなコンビニのあり方検討会で実施したコンビニ本部ヒアリングの議事録によると、高齢化したコンビニオーナーが、事業承継や廃業、転業などを行い引退することができる「引退モデル」の構築が課題の一つとして取り上げれらた。

<コンビニ本部ヒアリング>
コンビニ本部ヒアリング

セブン-イレブン・ジャパン永松文彦社長は、「事業承継の問題は、今、我々の中でも大きな問題として捉えている」と述べ、特に、土地・建物を本部が良いする契約タイプCタイプ契約に課題があることを報告した。

永松社長は、「跡継ぎがいるタイプの人、もしくは土地建物は自分で保有するAタイプ契約は、全体の中で今2割ぐらいの構成になっている。Aタイプであれば、、例えばオーナーに店舗の大家さんになってもらう形で、我々が店舗を引き受けたり、他の方に譲ったりという形があり、オーナーさんには何らかのお金が入る。サラリーマンである我々だと退職金があるが、オーナーさんには退職金がない。土地建物がオーナーさんの保有するタイプではそういうやり方がある」と述べた。

その上で、「残念ながら、土地・建物を本部が用意するCタイプには、そういう(店舗を貸したり、譲ったりする)ものがない。これについては、実は今検討して来春までには結論を出そうとしている。要は何らかの形でハッピーリタイヤできるという形を取れば、より経営に対して幸せになっていけるだろうなということを考えている。あと、数カ月の中で結論を出せればということで今スタッフ部門の中でその辺は検討しているという次第です」と報告した。

ファミリーマートの久保勲取締役 専務執行役員 CSO(兼)経営企画本部長は、「基本的には親族への継承はOKをしています。三親等まで、一応認めるということでそのまま事業継承をしていただく。また、FC契約者の雇用社員、それが店長さんであったり、マネージャーさんであったり。3年間経験を持たれた方については、そのままもともとのFC契約者の加盟店の契約をそのまま引き継いでいただく形を取っております。それに対して何かいろいろな制限を付けたりというふうなことは、現在のところやっておりません」と述べた。

その上で、「どんどん加盟者の方々の高齢化が進みまして、そういうことをいろいろな店舗、いろいろなことで運営していく、維持していくという意味でも、こういうことを取り組んで行く。既に、これは契約そのものの改定とか、そういうことをようやくして、今こういう形で速やかに実行しているということであります」と語った。

ローソンの竹増貞信社長は「引退モデルについては、のれん分け制度というのを用意している。例えば、1店舗でもいいですけれども、複数店を経営されていて、お子さんも無事に育って、ご夫婦2人でというようなオーナーさん、20年、30年やられている方、たくさんいらっしゃいます。『もう十分ローソンやったから、従業員、あるいはクルーさんにのれん分けしたいんだけど、どうだろうか』という声が、ここ5年ぐらい前から増えてきた。一番古いオーナーさんで今35年ぐらいですかね。35年、40年ぐらい。そうすると、もうやはり70歳、75歳になられて、ローソン好きだから1店だけ残したいという方もいらっしゃったり。特段、お客様もいるから、毎日気が張って、店に立つのも好きだからという方もいらっしゃったり、あるいはもう卒業される方もいらっしゃいますけども」と述べた。

その上で、「従業員の方にのれん分けをいただいて、そして対価をお支払いさせていただくということで、新しく従業員の方がオーナーになられて、お店を引き継がれているというようなものの用意をしています。実際、オーナーさんにとっても、やはりのれん分けできるというのが、非常にモチベーションにもなられていると。単に卒業モデルというよりは、やっぱり俺もローソンでしっかり仕事したなと、それで一生懸命やってくれたやつに店を分けてやることができた。ありがとうねという形」を報告した。

一方、「これはもう本当にハッピーリタイヤメントなんですけれども、やはりご指摘あった中途解約につきましては、もちろんペナルティ条項は契約書上あります。ただ、ほぼいただいたことありません。やはりいろいろな事情があります。皆さんやっぱり一生懸命やって続けたいと思って、ローソンやられてて、やはりいろいろな事情で継続を断念されるという方については、違約金をいただいたことはありません。ただ、もう過去あるとすれば、本当にコンプライアンスに抵触するような大きな事故、問題を起こしてしまっているというような店舗については、フルでもらうかどうかは別ですけれども、通常の中途解約についてはいただいたことはございません」と現状を解説した。

ミニストップの藤本明裕社長は、「経営権は、韓国とかですと、賃貸の権利金みたいなのがあって、辞めると、それより高く売れると権利金が入って来たりするんですけれども、その他の国では今そういうことはなくて、譲渡という意味では、ご親族の方に譲渡していただくという事例はたくさんございます」と述べた。

「確かにだいぶご高齢になって来ていますので、やりますけれども、法人の場合は、どなたが経営者になるのかわからないので、一定の制限は設けないと非常に怖いと。我々信頼関係でやっているわけですので。そういった制限はある程度設けることはございます」と報告した。

その上で、「違約金の話とか、引退モデルにも関することですけど、ご自分で店舗に投資された方は、かなり収益が高くて、それを最終的に我々が買い取ることはございます。今、1店舗作るのに6000万~7000万、場合によっては1億近い金額がかかります。オーナーがご自分で投資するのは、なかなかやりづらいという中で、我々契約期間7年なのですけど、これを途中で放り出されたら、我々としても非常に投資が回収できない」と指摘した。

「これは24時間の問題にも関わって来るわけですけれども、ご自分で投資がある程度される方であれば、経営の自由とか、そういったものはある程度保証されると思うんですけれども、残念ながら雇用関係ではないのですけれども、投資に対する負担の割合というもので、ある程度制約があるというのも、やむを得ないというふうには思っています。ただ、今考えているのは、本部に負担をした中で営業時間であったりとか、経営の形態であったりとか、そういったものの自由度は、初めてそこで 50:50になるというふうに考えておりますので。それも多いに見ております」と語った。

■セイコーマートは後継者難FCの直営化を推進

セイコーマートの丸谷智保社長は、「私どもが直営化を進めて来た背景の1つに、先生ご指摘の高齢化と共に後継者がいないということですね、特に地方においては、それが顕著でありました。札幌のオーナーの息子さんは東京に出ていったり、というようなこともあって、なかなか進まなかったんですね。だから、それが直営化を進めて来た1つのポイントではあります」と述べた。

その上で「幸福な引退モデルという点においては、オーナーさんに後継者がいない。で、小企共年金が入りますとなった場合、オーナーさん自身のお店は、そこを私ども本部が借りる。そうすると、オーナーさんに賃料収入も入りますので、その間、年金プラス賃料収入の形で『幸福な引退モデル』を作った。そういうことで、この10年ぐらいは店舗を貸すので、本部の方で、直営化で引き取ってほしいというような申し出がかなり多かった。この地域性は大事です」と語った。

それから、「そもそもアンケートでもございますように、いわゆるフランチャイズと言っても、FC本部が用意した土地・店舗において経営するタイプの契約これが83%を占めているわけですね。ですから、これはもう、いわゆる一般的にイメージする、お店をやっていました、そこで看板を、何々にすると言って、FCに加盟していくという、ああいうモデルが、だんだん変わって来たというのが、この契約形態の中にも色濃く反映されていると思います」と指摘した。

また、「この契約形態を取っていくと、ロイヤリティが非常に高いはずです。ですから、契約関係はもう雇用関係に近いような契約形態になりつつあると。従って、契約の自由の原則に基づくフランチャイズの契約だったんですけれども、どうも力関係としてはやや雇用者と非雇用者というような関係になっているのが実態なのではないだろうかと考えております」と述べた。

「私どもは200店強、まだフランチャイズ、純粋な加盟店は残っていますけれども、オーナーさんの中には、後継者がいない場合には、従業員に店を譲る、そういうケースがあります。これは極めてまれなケースでありますけれども、今でもそういうケースはあります」と報告している。

ポプラの大竹修執行役員経営企画室長は、「事業承継に関しては、基本子どもさんが親を継ぐというのは、基本ほぼなしというふうに我々は考えている」と述べた。

その上で、「今やられているオーナーさんが自社の物件であれば、これを、期限3年ですけど、我々が法人さんなどへの貸し出しを斡旋する、あるいは事業そのものをお辞めになる場合には、後継テナントとして何かそこを借りてくれる事業者はいないか(探す)。そういったところのケアはしっかりして行っているつもりだが、残念ながら個人での加盟者さんがそのまま引き継いでコンビニをやるというのは、今は非常に厳しい状態だという認識でいます」と語った。

山崎製パンの中嶋康臣デイリーヤマザキ事業統括本部管理本部長は、「長年加盟していただいたオーナー様がご高齢で事業継承できない時、もちろん親族であるとか、店舗で一緒にやっていた方がという時には、当然(事業承継)を認めています」と述べた。

その上で、「やはりそれでもできないという時は、昔加盟された方は自分の店舗が多いんですね。ですから、そういう店舗は、本部で仮受けて、改装して、新しいオーナーを本部の方で探して店を運営していただくというふうな形を取っております」と報告した。

国分グロ―サーズチェーンの山口彰久執行役員管理本部長は、「後継者の問題について、やはり後継者がいないというところは散見されるんですけれども、その場合については、1つは、店長が出向するような形で事業を継続していただくという事例がございます。あと弊社、直営を積極的に展開しているわけではございませんが、一部、セコマの丸谷様のお話のような直営化という事例がございます」と述べた。

■新たなコンビニのあり方検討会
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/new_cvs/index.html

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