流通ニュースは、流通全般の最新ニュースを発信しています。





サミット/テラスモール松戸に「集大成店舗」目標年商30億円

2019年10月24日 17:50 / 店舗レポート

サミットは10月24日、千葉県松戸市に開業する大型ショッピングセンター「テラスモール松戸」1階に、「サミットストア テラスモール松戸店」をオープンした。

<テラスモール松戸店>
テラスモール松戸店

松戸市への出店は、2007年の「松戸新田店」以来で、2店目。千葉県への出店は、2010年の「ライフガーデン浦安富岡店」以来の出店となる。出店により、サミットストア店舗数は東京82店、神奈川14店、埼玉14店、千葉5店を合わせて、115店となった。

テラスモール松戸は、住友商事グループが松戸市北部市場跡地を再開発して開業した大型ショッピングセンター。テラスモール松戸の通常年度の年商は270億円を計画しており、サミットは核店舗としてモール売上高の10%を超える30億円を目標年商とした。

<朝礼する竹野社長>
朝礼する竹野社長

竹野浩樹社長は、開店前朝礼で「この店は、売場、商品、サービス、接客、すべてにおいてサミットの集大成となる店舗で、非常に思い入れのある店舗です。接客・サービスは目には見えませんが、一番、お客さんに伝わるところです。皆さんが楽しみながら、自分が成長できるような職場にしたい。そうすると、それが接客に伝わると思います」とあいさつした。

サミットでは、2016年6月に東京都立川市にオープンした「羽衣いちょう通り店」から、新しい取り組みを開始した。テラスモール松戸店は、近年、オープンした「王子桜田通り店」「江原町店」「本天沼店」「三田店」「鍋屋横丁店」で培った新しい店づくりの集大成の店舗と位置付けた。

<店舗レイアウト>
店舗レイアウト

大型ショッピングセンターへの出店のため、近年、取り組んでいる店舗レイアウトやライブ感のある作業場の配置、内装、サミCafeなどを最大限導入した。専任の「案内係」を配置し、買い回りしやすく居心地の良い店づくりを実現する。

これまで培ってきたお客に寄り添った接客やサービスを更に向上させ、地域の人々から「サミットができてよかった。」と言ってもらえる店づくりを目指す。

直角を中心に効率的に買いまわるレイアウトを一新し、「羽衣いちょう通り店」から導入した、動線に湾曲を取り入れ部門別にゾーンを形成し、1つのゾーンが終わると次のゾーンにつながる連続制を持ったレイアウトを採用した。新レイアウトで、ワクワク感を演出し、回遊性と店舗滞在時間が長くなる工夫をした。

<青果売場>
青果売場

アイテム数は、青果535、鮮魚290、精肉551、惣菜330、加工食品4572、菓子1197、日配1716、家庭用品2156、ベーカリー85、合計1万1653SKU。売上構成比は、青果15.3%、鮮魚8.6%、精肉12.9%、惣菜10.6%、加工食品22.3%、菓子4.2%、日配19.0%、家庭用品4.0%、ベーカリー3.1%。

1次商圏は0.5km圏2883世帯・6628人、2次商圏は1.0km圏1万2795世帯・2万8665人、3次商圏は1.5km圏3万530世帯・6万5609人を想定する。

0.5km圏の単身世帯は27.2%(自社平均48.7%)と低く、戸建てのファミリー世帯が多い立地。年齢別人口構成は、10~19歳が10.5%と自社平均(7.6%)より高く、60歳以上が34.6%と自社平均(27.5%)よりも高くなっている。

<フレッシュサラダ&カットフルーツコーナー>
フレッシュサラダ&カットフルーツコーナー

青果売場では「フレッシュサラダ&カットフルーツコーナー」を導入、店内で製造したフレッシュサラダやカットフルーツを販売する。近隣の松戸新田店で好評の地場野菜に加え、千葉県各地の農産物を当社最大規模で展開する。

<鮮魚売場>
鮮魚売場

鮮魚売場では、「おさかなキッチンコーナー」を作業場一体型の開口タイプで展開し、活気のある売場で、鮮度感や品ぞろえの豊富さ、ライブ感を演出する。

店内手作りの「煮魚・焼魚」コーナーでは、鮮魚売場で販売している原料を使用したこだわり商品の品ぞろえや、夕方に焼魚の焼き立てバラ販売も実施する。

<グリルキッチン>
グリルキッチン

精肉売場では、「グリルキッチン」コーナー付近にレンジアップ商品や生鮮素材を使用した鍋セットの売場を集め、簡便商品を買い回りしやすい売場づくりを実施。

鮮魚部門の鍋セットも一緒に陳列するなど、部門を越えた売場づくりをする。週末は広域から多くのお客の来店が見込まれることから、盛り合わせセット商品の品ぞろえを強化する。

<惣菜コーナー>
惣菜コーナー

惣菜売場では、各コーナーで地域特性に合わせた品揃えを実施するとともに、温総菜でおかずに最適な商品の拡充を図る。寿司コーナーでは鮮魚部門の原料をネタに使用する「にぎり寿司」を豊富に品ぞろえするとともに、新たに店内で炙ったネタを使用する「炙りにぎり寿司」を品展開する。

店内製造のレンジアップパスタ各種は、部門を越えて冷総菜売場のケース内で販売する。

<ベーカリー>
ベーカリー

ベーカリー売場は、惣菜売場の次の最終コーナーに配置し、売場から作業場内が見えるようにすることでシズル感・ライブ感を演出する。好評の窯焼きピッツァ、店内製造のサンドイッチ、調理パン、スイートドーナッツを充実させ、最大の品ぞろえとした。

<サミCafe>
サミCafe

イートインスペースのサミCafeは48席を展開し、新規にコイン式のコーヒーマシンを導入した。

<グロサリーのエンドディスプレイ>
グロサリーのエンドディスプレイ

サミット初の大型SCへの出店となったテラスモール湘南店では、大型SCならではの店舗運営ノウハウを取得した。SCでは、開店後も専門店を回遊してから食品スーパーに来店するお客が多いため、開店直後の客数が少なく、来店客数のピークが通常店舗とは異なる。

また、SCの専門店で働く従業員が17時以降に多く来店するため、平日を中心に17時以降に来店客の山があるといった特徴がある。テラスモール松戸店でも、湘南店で得たノウハウを活用し、大型SC特有の来店動向を踏まえた時間帯別の品ぞろえ、勤務シフトなどで、しっかりとした売場づくりを進めるという。

<LEDを活用したデジタル演出>
LEDを活用したデジタル演出

松戸店では、新たな取り組みとして、LEDを活用した大型のデジタル演出を壁面に採用した。季節、朝・昼・晩、ハロウィンなどのイベントをコンテンツとして流し、感覚的で情緒的な店舗の面白さを演出する。

竹野社長は、「デジタル演出は、無駄な投資といえば無駄であり、まさに戦略的な投資だ。これまでの小売業の店内演出が、お客様に受けているのか、疑問があった。感覚的に面白く、記録より記憶に残る店を演出するための施策として、新たにチャレンジした。また、サミットが変なことを始めたと思ってもらいたい」とデジタル演出を解説した。

<支払いセルフレジ9レーンで省人化も推進>
支払いセルフレジ9レーンで省人化も推進

サミットは、近年、都心型650m2タイプの店舗を連続して出店しているが、都心型店舗は売上高の上限が20億円程度という限界があり、効率の面で課題もある。

標準的な2000m2程度の店舗で30億円という年商規模は、経営効率が高いため、今期はあと2店舗を2000m2クラスの標準店で出店する計画だ。

竹野社長は、「私があまりに集大成ということを打ち出したため、社内で松戸店がある種の到達点、ゴールのような印象になってしまった。しかし、松戸店はあくまで通過点であり、まだまだ店もサミットも進化する。デジタル演出は、象徴的な取り組みだが、これからも新たな施策をやり続ける、一つの決意だと思って欲しい」と述べている。

■店舗概要
所在地:千葉県松戸市八ケ崎2-8-1
TEL:047-341-3315
売場面積:1888m2
バックヤード:934m2
駐車台数:2000台(SC共用)
駐輪台数:928台(SC共用)
営業時間:9時~23時
年間休日:年1日
年商目標:30億円
店長:谷貴紀(たにたかのり)
従業員数:102.4人 (正社員28.5人、パートタイム・アルバイト社員73.9人)
※パートタイム・アルバイト社員は173時間/月=1人で計算

関連記事

店舗レポート 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧