島忠/須藤会長「実験店・ホームズ横浜鶴見店オープン、新規出店は全国へ」
2023年12月06日 12:00 / 店舗レポート
島忠は12月5日「ホームズ横浜鶴見店」(横浜市鶴見区)の内覧会を開催した。須藤文弘会長は報道陣に対し「今後の新規出店は、ニトリの物流網を生かし、全国で検討する。ホームズ横浜鶴見店でさまざまな実験を行い、約4958~6611m2クラスのホームセンター標準店づくりに生かす」と意気込みを語った。内覧会での主な質疑応答は以下の通り。
――出店の経緯を教えてください
須藤 2021年のニトリホールディングスとの経営統合後初の新規出店です。旧島忠横浜店は、ピーク時に売り場約6611m2クラスで85億円を稼ぐ1番店でしたが、2020年にいったん閉店していました。統合時は再建計画はでき上がっていましたが、統合後改めて品ぞろえなど検討しなおし、島忠の第2のスタートとして、未来に向かう店舗を作り上げました。
――なぜ「ニトリホームズ」業態を選ばなかったのですか
須藤 2021年に「ホームズ宮原店」を大幅刷新した「ニトリホームズ宮原店」をオープンしました。ニトリプライベートブランド(以下:PB)などホームファッションを増やし、SKU数も絞りました。
売り上げは好調なのですが、「ホームズ」時代からご愛顧いただいているお客様から「今まで買っていたナショナルブランド(以下:NB)商品がない」「ホームセンター商品が少ない」とご意見いただきました。
――島忠らしさが求められていたと
須藤 ニトリと島忠をお客様が使い分けてしており、今まで両社は共存していたことがわかりました。そこで、島忠は島忠らしい道を行こうと考えました。
ホームセンターにいらっしゃるお客様は日用品やペット、園芸品、自転車などを買いたいのに、ニトリの商品だけではその要望に対応できません。統合後「ニトリホームズ」で出店していくつもりだったのですが、ニトリと差別化した店舗展開が必要なことに気づいたのです。
――どのような差別化を図っていますか
須藤 家具がニトリPBでは満足しないお客様がいらっしゃるのと同じで、日用品などはPBだけでなく、NBも選びたい人もいらっしゃいます。
家具もNBだけでなく、島忠PBで39万円くらいのソファといった中~高価格帯もありますし、島忠らしいニトリを補完する店舗が求められています。島忠PB、ニトリPB、NBと選択肢が豊富で、いいところどりができるのが差別化になっています。
――なぜスーパー「SANWA」をテナントに入れたのですか
須藤 周辺エリアにスーパーがあまりなく、ニーズがありました。SANWAは3階に出店しますが、屋上から自転車も入れる作りの施設ですし、地上階からと2カ所からの顧客動線を作っています。
――リフォームにも力を入れていますね
須藤 周辺が昔からある住宅地で、シニアも多く、旧店舗はリフォームが強い店舗でした。当社は首都圏の店舗でリフォームを強化していく方針で、新店舗のリフォームコーナーは風呂・トイレなど壁紙とコーディネートした提案売り場になっています。
――新店舗は家具比率は減らしていますね
須藤 島忠の売り上げは7割がホームセンターですので、新店舗はホームセンター売り場を強化しています。周辺に島忠、ニトリといった家具を扱う店舗が多くありますので、新店舗の家具売り場はコーディネートを楽しめる店舗がコンセプトとし、2階すべてを家具売り場とはしませんでした。
――ニトリHDとのシナジーについて教えてください
須藤 ニトリHDとのシナジーが大きく実現した点は、PBですね。スピード感を持って2400点以上を開発。新店舗は2200点以上がそろいます。安さ、PBの良さを強調するために、集合展開したコーナーもあります。PB売上比率は15.1%で、年々10%ずつ伸ばし、まずは40%程度を目指したいと思います。
――新規出店について教えてください
須藤 ニトリグループの家具を全国に配送できる物流網を生かし、全国の主要都市で考えています。ニトリは北から南まで、土地を取得し、自社で物流施設を建てていますので、ドミナントのない地域でも出店できます。今、候補地もいくつかあります。
――どのような業態で出店しますか
須藤 ホームセンター単独、ショッピングモール形態の店舗、主要都市では家具付きの大型店も検討します。ホームセンターは次の戦略の柱です。次の出店に生かすため、新店舗でいろいろ実験します。ホームセンターで約4958~6611m2クラスの標準店づくりを行い、次はその標準店で主要都市に出店したいですね。
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