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首都封鎖/東京都のみで1カ月5.1兆円、一都三県で8.9兆円の損失

経営/2020年04月06日

第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは3月30日、「現実味を帯びてきた首都封鎖」と題するレポートを発表した。

首都封鎖が実施された場合の経済損失を試算したレポートで、万一、首都封鎖が実行されると、東京都だけで1カ月間に実質GDPが5兆1000億円も減少するインパクトがあると試算できる。また、同様の措置が、神奈川、埼玉、千葉を含む一都三県(南関東)で実施されれば、8兆9000億円とさらに経済損失は大きくなるだろうと試算した。

レポートでは、首都封鎖で経済活動がどのくらい縮小するのかは、正確にはわからないが、必要最低限のラインをしばらくは手探りしながら、自宅勤務などの方法を採っていくと予測。筆者がその必要最低限の活動の割合を計算すると、約6割減(58.0%減)という数字になった。

これに基づき、東京都が1カ月、つまり4月1日から4月末の大型連休までを首都封鎖したと考えると、実質GDPが5兆1000億円ほど低下する計算になる。さらに、外出禁止などの封鎖状態を、神奈川県、千葉県、埼玉県を加えた南関東で実施すると、損失は8兆9000億円にもなる。

考え方は、企業の稼働率が、平日の出勤状態を日曜日並みに抑えることにしたと仮定した。最低限度の稼働率の状態を仮想して、経済活動がそこまで停滞すると考えた。基礎データは、NHK放送文化研究所「国民生活時間調査」(2015年)による。

そこでは、有職者の平日の出勤率が88%で、日曜日のそれが 37%となっている。両者の差を求めると、日曜日は平日に比べて58.0%減の稼働率低下となっている。東京都の2019年度の実質GDPが106兆4000億円だから、その1カ月分の58.0%減が実額で5兆1000億円になる。

また、東京都の昼間就業者数は、800万6000人とされる(2015年総務省「国勢調査」)。その中から約6割が出勤しないことになると仮定して、首都封鎖になると464万人が自宅待機に近い状態に追い込まれる。この中には、神奈川県、埼玉県、千葉県から東京都へ出勤してくる人も含まれている。

この計算は、実はたいへん楽観的に計算していると思っている。実際の首都封鎖は、私たちの日曜日の生活よりもさらに息苦しいものになりそうなことが予想される。また、東京都や南関東の経済活動が平常の4割に低下すると、その打撃は全国とのサプライチェーンや交易取引を抑制させる。

その波及効果は、ここでは考えていない。それでも1カ月間で5兆1000億円、つまりGDP比で1.0%ポイントの押し下げ効果になると試算している。

現実味を帯びてきた首都封鎖

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