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ヤッホーブルーイング/出る「杭」人材支援、実は出る杭を打ちそうになった人55.8%

2021年04月05日 13:00 / 経営

ヤッホーブルーイングは4月5日、ビール投資プログラム「YONA YONA BEER FUND(以下:よなよなビアファンド)」を開始した。

<型にとらわれず活動する人材を支援>
型にとらわれず活動する

様々な分野や業界で型にとらわれない活動をしている実業家・芸術家・好事家などをクラフトビール「よなよなエール」で支援するプログラム。ビール投資対象者1人目は、人工的に流れ星を創出する宇宙エンターテインメント事業「Sky Canvas」に取り組むALE代表取締役社長の岡島礼奈氏を選出した。

<ALE代表取締役社長の岡島礼奈氏>
岡島礼奈氏

岡島氏は、大学在学中に「しし座流星群」を見た際、「火の玉に近い大きな流れ星のあまりの美しさ」に感動し、願った時間・場所に人工的に流れ星をつくりだすことを着想。その後、人工衛星から流れ星の素となる金属物質を放出することで人工的に流れ星をつくりだす研究を開始した。

2011年9月には、ALEを設立。現在、世界で初めて人工的に流れ星を創出する宇宙エンターテインメント事業「Sky Canvas」に取り組んでいる。人工流れ星を活用することで、大気データを取得し、気候変動メカニズム解明へ貢献することを目指している。岡島氏の「何の役に立つのかと言われるような領域の進歩こそが、未来の問題の根本を解決するパラダイムシフトを引き起こす」と信じる姿勢に共感して、ビール投資対象者一人目に選んだという。

<社会の多様性に新しい価値や個性を増やしたいという思いでファンドを開始>
社会の多様性に新しい価値や個性を増やしたい

世界的には多様な考え方やあり方が求められている中、日本では自己主張をしないよう社会的に規制をする「同調圧力」が問題視されている。「出る杭は打たれる」という言葉が日常的に使われていることからも、日本においては型にとらわれない「活動」や「個性」が認められづらい風潮がうかがえる。多様で個性的な味わいが特長的なクラフトビールの文化が日本で定着していくためには、様々な「嗜好」「価値観」「個性」を認め合い、多様性を楽しむ社会になっていくことが必要だと同社は考えている。

そこで、よなよなビアファンドでは、型にとらわれない活動をする「出る杭」な人材を「よなよな人」と呼び、「限りない偏愛と突き抜けた知性で社会の多様性に新しい1(価値や個性)を加え、世界に笑顔を生み出す愛すべき変わり者」と定義している。

よなよなビアファンドでは「よなよな人」が必要とする数の「よなよなエール」を提供することで継続的に支援。「よなよなエール」は、「よなよな人」が自身の活動をより一層深化したり、新たな仲間づくりにつなげたりする際に活用される予定だ。

今後は、一般消費者が「よなよな人」に対して支援ができる個人投資家プログラム、「よなよな人」同士のコミュニティ形成、イベントなどを開催していく。よなよなビアファンドでは、2026年までに「よなよな人」を50人まで増やすことを目指す。

岡島氏は「人工衛星の打ち上げ成功を祝ったのも、資金調達の契約完了を祝ったのも「よなよなエール」でした。今回よなよな人に選んでいただき、言葉にできない喜びでいっぱいです!人工流れ星を見ながら乾杯できる日を夢見て」とコメントしている。

また、同社が日本人1073人に聞いた「出る杭は打たれる」に関するアンケート調査によると、「出る杭は打たれる」という雰囲気を感じている日本人76.1%となった。

人間関係の距離感が遠く、規模が大きい集団であればあるほど「出る杭は打たれる」という雰囲気を感じやすくなる傾向が明らかになったという。

さらに、「出る杭は打たれる」雰囲気を「否定的(反対・嫌い)」と考える人は62.3%。その理由を聞くと「日本の生産性を下げていると思うから」と回答した人の割合が49.8%と最多だった。

しかし、「出る杭は打たれる」に「否定的」だが、実は出る杭を打ちそうになった人は55.8%という結果となった。「出る杭は打たれる」という雰囲気には否定的に考えているにも関わらず、実はその雰囲気をつくりだしてしまっているという実態もあぶり出された。

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