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H2O/関西スーパーマーケット子会社化、経営統合へ

2021年08月31日 17:20 / 経営

エイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)と関西スーパーマーケット(関西スーパー)は8月31日、経営統合すると発表した。

<経営統合の概要>

現在、H2Oは関西スーパーの株式10.66%を保有し業務提携しているが、出資比率を58.00%まで高め、関西スーパーを子会社化する。関西スーパーは子会社化後も上場を維持する計画だ。

<H2O荒木社長(左)と関西スーパー福谷社長(右)>
H2O荒木社長(左)と関西スーパー福谷社長(右)

同日、開催した記者会見で、H2Oの荒木直也社長は、「中計で掲げる関西ドミナント化戦略の一環で、万代との業務提携に続く施策。業態間競争や価格志向の高まりなど競争環境が激化する中で、経営統合によりコスト削減などのシナジーを見込んでいる。各ブランドを生かした特色と地域密着を生かし、万代との提携を含め、関西最強のスーパーマーケット連合を目指す」と述べた。

関西スーパーの福谷耕治社長は、「経営統合により、関西最強の地域密着型スーパーマーケット連合ができる。単に売上が増えるだけでなく、地域のお客様との信頼関係の構築が進むと思っている。少子高齢化やECサイトなど他業種との競争もあり、アフターコロナ後の競争は厳しくなる。統合により、H2Oは関西ドミナント化戦略を進め、関西スーパーはH2Oのブランド力を生かすことができる。お客様の生活シーンで今まで以上に接点が増えるだろう」と語った。

具体的には、関西スーパーが、H2Oグループと関西スーパーの事業を統合し、関西スーパーをH2Oの子会社とする経営統合に関する契約を締結する。

経営統合の一環として、イズミヤが、関西スーパーとの間で、関西スーパーを株式交換完全親会社とし、イズミヤを株式交換完全子会社とする株式交換を実施。また、阪急オアシスが、関西スーパーとの間で、関西スーパーを株式交換完全親会社とし、阪急オアシスを株式交換完全子会社とする株式交換する契約をそれぞれ締結する。

さらに、関西スーパーが、関西スーパーの営む一切の事業を関西スーパーが新たに設立する関西スーパーの100%出資の子会社(分割準備会社)への吸収分割によって移管することにより、H2Oの傘下に、関西スーパー事業を行う分割準備会社とH2O子会社の3社を完全子会社とする中間持株会社を置く中間持株会社体制を構築する。

H2Oは、長期事業構想2030及び中期経営計画(2021ー2023年度)において、食品スーパーを核とする食品事業を「関西ドミナント化戦略」のけん引車の一つと位置付け、百貨店事業に次いで、100億円以上の利益を稼ぐ「第2の柱」化を目指し、その成長に注力している。

また、H2Oは、その達成に向け、スーパーマーケット事業を再構築し、製造事業との一体的運営を行うとともに、他社とのアライアンスによる事業力の強化を推進することを掲げている。

アライアンスによる事業強化については、今後拡大が必要なIT・デジタル投資をはじめとするコストシェア、事業規模を活かした商品調達力、収益力向上、PB商品開発などにおいて、効果的で重要な戦略と位置付けており、これまでも関西エリアの同業他社との関係性強化に取り組んできた。

経営統合を実現することで、関西ドミナント化戦略の中核として、資本関係に基づく緊密な戦略的パートナーとして高次元の業務提携を実現させ、そのシナジーを最大化することにより、関西エリアにおけるお客や地域社会とのつながり、信頼、ネットワークを更に強化することが可能となる。

これにより、関西都市部でのトップクラスのマーケットシェアによるブランディングと競争優位性、店舗数などの点において、関西でNo.1の地位を確立することができる。

また、関西スーパーとしても、H2Oグループとの更なる連携強化、グループの強みであるブランド力の利用やスケールメリットを活かすことなどにより、店舗運営、商品戦略、出店戦略等において他社との差別化やコスト競争力の強化による収益性の向上が期待できるという。

2021年3月期の売上高は、関西スーパー1289億7000万円、イズミヤ1330億1100万円、阪急オアシス1107億6200万円だった。

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