イオン/ワイン売上構成比20%を目指し、自社輸入ワインに賞を設立
2017年09月19日 19:50 / トピックス
- 関連キーワード
- イオン
イオンは9月18日、千葉市で、自社輸入ワインを対象にお薦め商品を選定する「イオンワインアワード」表彰式を開催した。
自社輸入ワインを対象にした賞「イオンワインアワード」を設けることで、自社輸入ワインの認知度を高める。
ワインについての話題を喚起し、酒類別売上構成比でワインが約13%を将来的には約20%まで引き上げる考えだ。
イオンリテールの岡崎双一社長は「イオンはワイン販売に注力しており、いまでは日本でワインの輸入量では3位となる規模となった。イオンリカーをはじめ、店舗には大型ワイン売場もあり、日本一のワイン売場をもっている。ワインの世界にはパーカー・ポイントなど、ワインを評価する有名な基準があるが、それに並ぶような評価基準としたい。2年、3年と続けるだけでなく、50年、100年続く賞に育成したい」とあいさつした。
イオンスタイル内の酒類売場の酒類別売上構成比はビール45%、ワイン13%、チューハイ20%、日本酒10%、焼酎10%、洋酒10%、その他12%程度となっている。
自社輸入ワインは、ナショナルブランド商品とは異なり、販売している売場はイオングループ店舗のみで、TVCMもなく情報量が少ない。
イオンワインアワードを設けることで、自社が自信を持ってすすめるワインを明確にし、お客への認知度を高める。
10月中旬を目途に、イオンワインアワード受賞ワインを集めたプロモーションコーナーを設置し、おすすめワインとして販売する。
今回は、自社輸入ワインのうち昨年輸入した約500アイテムの中から、グループ会社のコルドンヴェールとイオンリカーのスタッフ約20人が146アイテムを選定、その後イオングループで働くソムリエの有資格者約80人とイオンの社内資格であるリカーアドバイザーの約20人の100人で試飲を行い21アイテムの受賞ワインを選定した。
金賞受賞ワインは14品目、最高金賞は7品目。
審査の公正・公平を担保するため、最終審査は店舗に来店するお客を対象に、全国の10店で、最高金賞ワイン7品目の試飲を行い、お客の投票により「みんなで選んだ素敵なワイン賞」を選ばれた。
「みんなで選んだ素敵なワイン賞」には、スイーツに合うワイン部門の「マリエンゴールド アイス アウスレーゼ」(税別1780円)が選ばれた。
試飲会は、イオン北海道、イオンリテールの6カンパニー、イオン九州、イオン琉球、イオンリカーの路面店で実施。
イオン札幌桑園店、イオン盛岡南店、イオンスタイルレイクタウン、イオンスタイル碑文谷、イオンリカー自由が丘店、イオン八事店、イオンスタイル四条畷、イオンスタイル岡山、イオン福岡店、イオンスタイルライカムで夏に試飲を行った。
デイリー白ワイン、白ワイン、デイリー赤ワイン、赤ワイン、デイリースパークリングワイン、プレミアムスパークリングワイン、スイーツの合うワインの7つの部門で選定した。
甘口の白ワインを中心に、甘いワインへの投票が多かったことから、白ワインとは別にスイーツに合うワイン部門を設置したという。
グループでは、ソムリエの有資格者約100人のほか、2007年から開始した社内資格「リカーアドバイザー」約800人、合計で約900人の酒類の専門家を配置しワインの販売を行っている。
ワインは低価格商品から高価格商品まで価格帯の幅が広く、接客販売をする必要があることから、今後も酒類販売の専門家を育成する方針だ。
イオンリカーでイオングループワインカテゴリーマネージャーを務める加藤修一氏は「ワインを販売することで、食材との関連販売といった波及効果がある。タスマニアビーフやサーモン、デリカ部門などさまざま商材と連携ができる。今後はワイン部門からだけでなく、食品部門からもおすすめのワインを提案できるようにしたい」と語る。
毎日でも手軽に楽しめるワインや本当においしいと感じてもらえるワインの品ぞろえを目指し、398円から数万円のワインまで幅広い価格帯のワインを販売。
直輸入ワインの品ぞろえは398円~5000円を中心としている。売上の数量構成比では500円~600円が1位となっているが、金額構成比では1000円台が1位となっている。
日常の食卓で飲むだけでなく、ちょっとしたギフトにも利用できる1000円台のワインを増やしたことで、客単価は上昇しているという。
現在、ワイン産地では、一昨年からワインの関税が段階的に撤廃されているオーストラリア産ワインと、2019年にワイン関税が撤廃されるユーロ圏のワインに注目している。
関税が撤廃されれば、店頭価格も下げれるため、新たな需要が開拓できると見込んでいる。
今年のボジョレー・ヌーヴォー商戦について、加藤マネージャーは「ボジョレー・ヌーヴォー商戦はワインを飲む機会を提供するお祭りであり、認知度は十分に高まった。かつてのように1人のお客が2本、3本と購入することは少なくなっているが、1本は飲もうという人が増えている。量を売る商材ではなく、しっかりとした質を売る商材として、品質にこだわった商品をしっかりと売っていきたい」という。
イオングループでは、イオン、イオンスパーセンターなど総合スーパー795店、ダイエー、マックスバリュなどスーパー・ディスカウントストア2495店、ミニストップ、まいばすけっとなど5899店など約1万3000店でアルコールの販売を行っている。
今後もグループの販売力を活かし、自社輸入ワインの品ぞろえを強化する。
イオンリカーの神戸一明社長は「毎日、飲みたくなるワインを中心にワインを販売を販売しているが、ネット通販や旗艦店を含めて、素人からプロまで満足できる品ぞろえを目指している。今後、ワイン専門店に負けないような業態を作っていきたい」と語った。
なお、グループで酒類販売の専門店を運営するイオンリカーは、総合スーパー「イオン」内の食品スーパーイオンスタイルの酒類売場と単独の路面店を運営している。
■イオンワインアワード
https://www.aeondewine.com/shop/category/category.aspx?category=061300&linkid=aw69_gfAdACFN
流通ニュースでは小売・流通業界に特化した
B2B専門のニュースを平日毎朝メール配信しています。