吉野家HD 決算/3~5月、人件費などのコスト上昇で増収減益

2024年07月11日 15:29 / 決算

吉野家ホールディングスが7月10日に発表した2025年2月期第1四半期決算によると、売上高475億4200万円(前年同期比7.4%増)、営業利益8億8000万円(38.6%減)、経常利益12億3800万円(24.6%減)、親会社に帰属する当期利益6億8100万円(33.5%減)となった。

吉野家の売上高は318億1900万円(7.3%増)となった。セグメント利益は、人材の確保と定着を目的とした先行的な賃上げや店舗の時給改定など人件費を中心としたコスト上昇により10億2400万円(34.9%減)だった。

転換を進めている新サービスモデルの店舗数は前期末412店舗から430店舗と18店舗増加し、テイクアウト・デリバリー専門店は同37店舗から39店舗。期末店舗数は、8店舗の出店、5店舗の閉店を実施し1232店舗となった。

商品施策として「親子丼」「バターチキンカレー」、販売施策としては「吉野家クロミ化計画」「吉野家×きかんしゃトーマス」のコラボキャンペーンに加え、牛丼に次ぐ第二の柱と位置付けているから揚げについては5月に「から揚げ祭」を行い、販売構成比15.4%を達成した。

はなまるの売上高は76億4800万円(4.2%増)だった。セグメント利益は、原材料費、人件費を中心としたコスト上昇はあるものの増収により吸収し6億5700万円(21.8%増)。期末店舗数は、3店舗の出店、5店舗の閉店を実施し416店舗。

商品施策として「ゆず牛肉つけ麺」「魚介豚骨つけ麺」、販売施策としては「春の天ぷら定期券」を実施した。新コンセプト店(Beyond Hanamaru)は、「健康」をテーマとし3店舗で検証を開始した。

海外の売上高は為替等の影響により68億5000万円(10.1%増)となった。セグメント利益は、原材料費、人件費を中心としたコスト上昇もあるが、コスト低減活動および為替等の影響により4億6900万円(12.3%増)を確保した。

期末店舗数は、24店舗の出店、16店舗の閉店を実施し1002店舗となった。アメリカは既存店売上高0.0%減、中国は10.3%減、その他アセアン地区は6.5%減、海外合計は2.7%減(現地通貨ベース)だった。特に、中国は経済不況の影響が外食産業にも大きく影響し、米国(カリフォルニア州)においてもファストフード店の最低時給が25%の大幅増加に改定されたことに対して、ファストフード各社が価格政策を行い、その影響によって客数に影響が出始めている。

グループの既存事業の取り組みとして、吉野家は既存店舗の積極的なクッキング&コンフォート改装、はなまるは商品の磨きこみ(てんぷら粉の改良等)、サービス力の強化を行い、他社とのさらなる差別化を図るとともに料理そのものの価値だけでなく飲食空間としての価値の向上に注力した。また、「吉野家」「はなまる」におけるクレジットカード端末の導入など、店舗運営のシステム化を積極的に進めた。

成長事業と位置付けている海外は、アメリカのオペレーション効率化を目指した改装強化、中国のメニュー構成の見直しなどに継続して取り組んだ。昨今の原材料価格の高騰に対処するため、商品ラインナップやクーポンなどの各種販売促進施策の見直しを図った。人件費上昇への対応策として、店舗オペレーションの生産性向上による人件費コントロールや本社業務の効率化に取り組んだ。

店舗出店は、国内12店、海外24店を出店した結果、グループの店舗数は2772店舗(国内1770店、海外1002店)となった。

通期は、売上高2030億円(8.3%増)、営業利益70億円(12.2%減)、経常利益74億円(14.0%減)、親会社に帰属する当期利益41億円(26.8%減)を見込んでいる。

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