サンマルクHD 決算/4~9月増収増益、牛カツ業態が寄与・既存事業も好調に推移
2025年11月25日 15:01 / 決算
サンマルクホールディングスの業績が好調だ。上期(4~9月)は売上と営業利益で2桁の増収増益を達成。通期業績も上方修正した。今期末には中期経営計画で掲げた2029年3月期の売上目標を前倒しで達成する見込みで、目標値を見直している。
上期の売上高は435億8500万円(前年同期比32.3%増)、営業利益23億6300万円(29.4%増)、経常利益22億5000万円(13.7%増)、親会社に帰属する当期利益10億4800万円(37.3%減)だった。
業績拡大の背景として、M&Aで昨年11、12月にグループに加わった牛カツ業態(京都勝牛・牛かつもと村)が寄与。上期はいずれの月も既存店売上高は前年同期を上回った。牛カツ業態は利用者の8割程度をインバウンドが占め、客単価も2300円と高い。
藤川祐樹社長は「インバウントのお客様は観光で来られるため価格受容性が高い。値上げしてもそう影響がない。その意味では牛カツ業態は引き続きインバウンドを中心に取り込んでいく」と述べる。
こうした牛カツ業態の伸長に加えて、既存事業も好調に推移している。
「牛かつ業態を除いた既存業態の売上高348億6700万円で、営業利益は20億4700万円。M&Aがなくても増収増益を確保できている」(藤川社長)
既存事業の「レストラン業態」(鎌倉パスタなど)と「カフェ業態」(サンマルクカフェなど)では、競争力向上に向けた取り組みが奏功。既存店売上高はすべて月で前年を上回った。
上期の売上高と各段階利益が業績予想を上回る結果となったことから、通期業績予想を修正。売上高は前回予想より70億円増の880億円(24.1%増)、営業利益は5億円増の50億円(37.2%増)、経常利益は4億円増の48億円(25.0%増)、親会社に帰属する当期利益は3億円増の23億円(9.5%減)を見込む。
「当期利益だけ減益だが、前期は繰延税金資産という特殊要因で8.2億円を計上した。それを差し引くと、実質的には純利益も増益になる」(藤川社長)
さらに「中期経営計画」(2025年3月期~2029年3月期)の目標値を変更。2029年3月期の目標値として掲げた連結売上高800億円は今期末に達成する見込みのため、1000億円に見直した。
取材・執筆 比木暁
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