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ロイヤルHD/12月期は助成金などで経常損失縮小、外食事業は33億円の増益

2022年02月14日 10:35 / 決算

ロイヤルホールディングスが2月14日に発表した2021年12月期決算によると、売上高839億7500万円(前期比0.4%減)、営業損失73億6600万円(前期は192億6900万円の損失)、経常損失44億9800万円(前期は198億5500万円の損失)、親会社に帰属する当期損失28億7300万円(前期は275億3200万円の損失)となった。

<菊地唯夫会長>

売上高は前年並みだったが、経常損失は大幅に縮小した。同日行われたオンラインの決算会見で菊地唯夫会長は「構造改革の推進による費用低減や助成金の収益計上、また稼ぐための現場の努力が大幅な損失の圧縮につながった。ここからは赤字から脱却する大きなチャレンジになる」と説明した。

セグメント別では、外食事業が売上高は450億5900万円(2.6%減)、経常利益は33億3900万円(前年同期は38億1300万円の経常損失)だった。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置下で外出自粛が呼び掛けられるとともに、政府や自治体からの要請を受け、営業時間短縮や酒類提供停止に対応したものの、ロイヤルホストやてんやなどが経常黒字で、大幅な増益となった。

外食事業は、「ロイヤルホスト」で、1号店の開業から50周年の記念したフェアの実施など高付加価値な商品を提供やテークアウトメニューやデリバリーサービスを拡充し、中食市場の開拓に注力した。「てんや」では、全国のご当地食材を使用したメニューの提供を行うとともに、季節にあわせた弁当商品を販売し、テークアウト需要の拡大に取り組んだ。

「シェーキーズ」と「シズラー」は、世界の食文化や料理を紹介するフェアを実施したほか、テークアウトメニューの充実と販売増に力を入れた。

また、テークアウトとデリバリーに強みを持つ新業態のバターミルクフライドチキン専門店「Lucky Rocky Chicken(ラッキーロッキーチキン)」を東京・吉祥寺や武蔵小山などに4店を出店した。だた「外食はコロナの耐性はついたが、グループを引っ張るまでになっていない」(菊地会長)という。

コントラクト事業の売上高は172億6800万円、経常損失は3億3600万円(前年同期は26億200万円の経常損失)で、前期より損失が縮小した。空港ターミナルは黒字となったが、高速道路は損失となった。

ホテル事業の売上高は167億1000万円(19.4%増)、経常損失が27億8400万円(前年同期は69億9600万円の経常損失)だった。

運営する「リッチモンドホテル」は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、8店舗を感染軽症者・無症状者の宿泊療養施設として自治体に提供。また、持分法適用の関連会社「ケイ・アンド・アール・ホテルデベロップメント」は、2号店の「京成リッチモンドホテル東京錦糸町」(東京都墨田区)を開業した。

加えて、テレワークやデイユースプランの販売を通じたビジネス利用の掘り起こしやトラベルプランの販売で観光需要の取り込みに注力し、売上高は前期より増加したが、緊急事態宣言の影響で宿泊需要がコロナ禍前の水準まで回復せず、経常損失となった。「客単価の落ち込みが大きい」(同)という。

食品事業の売上高は95億2600万円(16.5%増)、経常損失は2億9000万円(前年同期は7億2700万円の経常損失)となった。家庭用フローズンミール「ロイヤルデリ」や、グループ外企業向けの「業務食」の出荷が増加し、売上高は増えたが、緊急事態宣言下でロイヤルホストを中心としたグループ内部向けの製造販売量がコロナ禍前の水準には回復せず、経常損失となった。

既存店売上高は、2021年第4四半期期間(10月~12月)で、各事業の売り上げ水準が上昇。2021年12月には、外食事業で「ロイヤルホスト」「てんや」の主力2業態や、高速道路店舗が2019年対比で90%を超過し堅調に推移した。

次期は、売上高1040億円(23.8%増)、営業利益28億円、経常利益15億円、親会社に帰属する当期純利益4億円を見込む。「現状ではオミクロン株の影響があるが、3月には収まり、卒業式やお花見などで需要が回復する」(同)との見通しを立てている。

菊地会長は「何とか2期連続の赤字を回避しようとしたが、(今期の)ほとんどの期間で新型コロナの影響を受け黒字に持っていけなかった。そのため、今年が勝負の年になる。背水の陣を引かないといけない。黒字化のために最大限の努力をしていく必要がある」と話した。

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