H2O 決算/3月期営業利益261億円で過去最高、百貨店が利益改善
2024年05月15日 17:14 / 決算
エイチ・ツー・オー リテイリングが5月15日に発表した2024年3月期決算によると、売上高6574億円(前年同期比4.7%増)、営業利益261億8800万円(130.0%増)、経常利益278億7500万円(114.3%増)、親会社に帰属する当期利益219億500万円(33.7%増)となった。
百貨店事業の売上伸長に伴う利益改善に、各セグメントでの増益も加わり、営業利益・経常利益いずれも過去最高となっている。
百貨店事業の総額売上高は5771億4000万円(17.3%増)、営業利益は215億9100万円(109.6%増)。コロナ禍からの回復に伴う入店客数の増加と高額商材を中心に売上が伸長した都心店がけん引し、国内売上高は引き続き堅調に推移した。
インバウンド売上高は、円安効果もあり過去最高となっている。
阪急本店では、全てのカテゴリーが前期実績を上回って推移した。化粧品を含めファッション全般が好調。ジュエリーや時計、ラグジュアリーブランドファッションなどでインバウンド売上の押上げも寄与し、売上高は過去最高だった。
販売費および一般管理費については、人件費やカード手数料などの売上に連動する費用が増加し、全体でも増加している。
食品事業の総額売上高は4256億2600万円(2.3%増)、営業利益は79億2500万円(44.9%増)。売上・粗利益率改善に向け、曜日販促等による集客施策に加え、惣菜・PB商品や重点販売商品の取り組みを強化した。
イズミヤ・阪急オアシスの既存店売上高は4.0%増、客数2.2%増、客単価1.7%増。関西スーパーマーケットは3.3%増、客数0.6%減、客単価3.9%増だった。両社ともに値上げの影響による客単価上昇と客数の回復により、既存店売上高は前期実績を上回って推移している。
販売費および一般管理費については、人件費が増加したものの、生産性向上に向けた什器等の改善、要員体制の最適化徹底などの経費コントロールに努め、想定どおりに推移した。
食品製造子会社では、阪急デリカアイや阪急ベーカリーで、グループ外への卸販売と専門店売上が伸長し増益となったが、宅配事業では、阪急キッチンエール関西の新センター立ち上げに伴う会員システムの変更の影響により減収減益となっている。
商業施設事業の総額売上高は320億5600万円(9.9%減)、営業利益36億5500万円(102.2%増)。ホテルを運営する大井開発では、ビジネス・観光ともに宿泊需要が回復したことに加え、客室平均単価と稼働率の最大化を図る機動的な価格施策と効率的な運営の推進により、客室稼働率は安定的に90%を超え、過去最高益となった。
イズミヤのショッピングセンター運営と衣料品・住居関連品販売およびテナント管理を行うエイチ・ツー・オー商業開発は、収益力強化、費用の適正化、地域との連携強化による差別化に注力した。
イズミヤショッピングセンターの店舗閉鎖や直営売場の縮小により減収だったが、経費の抑制やテナントの売上拡大に向けた取り組み、新規イベント区画の設置が計画以上に進捗するなど効率的な運営を推進し、増益となっている。
2025年3月期は、売上高7000億円(6.5%増)、営業利益265億円(1.2%増)、経常利益265億円(4.9%減)、親会社に帰属する当期利益260億円(18.7%増)を見込んでいる。
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