大塚家具は4月19日、「IDC大塚家具 新宿ショールーム」で記者会見を開き、リユース事業を本格化し、家具の修理などサービスも提供することで、顧客との接点を拡大させる事業方針を発表した。
4月22日~5月29日まで、全店で実施する「大感謝会」の概要説明会で、大塚久美子社長が、今後の事業展開を説明した。
現在、会員制の廃止など、ビジネスモデルの改革を進めているが、その一環として、家具のリユース事業を本格化する。
2013年3月に家具の下取りを試験的に実施。2015年7月には、リユース事業への本格進出を発表。同年10月には、家具の下取りと販売、補修、管理を行う「リンテリア」を設立した。
2016年1月には、下取り業務をリンテリアへ移管、2016年2月には、家具の修理を行う自社の事業者「IDC工房」の設備を強化し、スペースを拡充する施策を行ってきた。
リユース事業の認知度はまだ少ないものの、1月~3月27日までの下取り査定依頼点数は592点で、顧客の関心の高さがうかがえるという。
下取りした家具は、リユース品として、横浜アウトレット、有明本社ショールーム、新宿ショールームで販売し、1月から3月27日までの受注点数は、すでに昨年1年間を上回るペースで推移した。
大塚社長は、「家具を変えたいと思っていても、価格の面やモノを捨てたくないという想いから、新しい家具の購入を我慢しているお客さまもいる。リユースを進めることで、家具を捨てずに、新しい家具を買うことができる。リユース品は、お買い得な価格となるので、高品質な家具を、実際に使用しやすい価格で提供できる」と事業の狙いを語る。
今後は、家具・インテリアというモノの販売だけでなく、家具の金具の修理、塗装の補正など、家具を使う上での、サービスの提供も強化。サービスを強化することで、「幸せをレイアウトしよう」というスローガンを実現させていくという。
大感謝会では、期間限定の特別感謝品を販売するほか、通常20%引きのソファの替えカバーを30%引きで販売。会員カードのポイントを2倍にする。
下取りやリユースの認知度拡大のため、通常の総合カウンターのほか、特設の下取りカウンターで、下取りの相談に対応する。
4月2日~24日まで実施している下取り金額を1.5倍とする「春の下取りキャンペーン」を5月29日まで延長し、リユース品として販売する商品も確保する。
リユースという選択肢を増やすことで、大塚家具と顧客の接点を拡大し、家具に対する潜在需要を掘り起こしていきたいという。
なお、20日には、大塚家具の創業者である大塚勝久氏が日本橋に開設する「匠大塚 デザインオフィス」の発表会があり、22日には、匠大塚 デザインオフィスが開業する。
大感謝会と匠大塚の開業が重なったことについて、大塚久美子社長は、「昨年に発生した一連の騒動を受けて、新生大塚家具の大感謝フェアを昨年の4月18日に開催した。この1年いろいろなお客さまや取引先に支えられてきた。感謝の気持ちを忘れない企画として、毎年、この時期に感謝祭を開催する。この時期に感謝会を開くのは、当社にとっては必然だ」と語った。
■大塚家具のリユース
http://www.idc-otsuka.jp/reuse/
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