日本百貨店協会/3月の売上高は25カ月連続プラス9.9%増
2024年04月25日 11:20 / 月次
日本百貨店協会が4月25日に発表した3月の全国百貨店売上高概況によると、全国の百貨店(調査対象71社・177店)の売上総額は約5109億円(前年同月比9.9%増)だった。
<3月の実績>
実数 | 前年同月比 | |
売上高総額 | 5109億円 | 9.9%増 |
総店舗面積 | 461万2321m2 | 2.8%減 |
総従業員数 | 5万270人 | 4.6%減 |
3月の売上高は9.9%増、入店客数も5.0%増と、共に25カ月連続のプラスとなった。インバウンドと高付加価値商材が引き続き活況だった他、各社が企画した外商催事や会員向施策、物産展なども集客と売上に寄与した。月前半、気温が低く推移したことなどから春物商材の動きは鈍かったものの、卒入学などのオケージョン関連は堅調だった。コロナ前の2019年比でも2.4%増と、プラス基調は継続している。
顧客別では、円安基調の中で訪日旅行の最需要期である花見シーズンを迎えたことから、インバウンドが148.4%増(24カ月連続/シェア9.7%)の495億円と、2014年10月の調査開始以来、最高額(2023年12月:477億円)を更新した。2019年比でも49.3%増と9か月連続でコロナ前の実績を上回っている。購買客数も、3月として過去最高(2019年3月:45.2万人)の45.4万人となった。
一方、国内市場は前年比3.7%増(25カ月連続/シェア90.3%)であったが、2019年比では1.0%減となった。地区別では、インバウンド需要と増勢が続く高額消費などから、都市(10都市/30か月連続/12.9%増)が9地区で前年実績をクリアし、この内、大阪(21.8%増)、福岡(20.3%増)をはじめ5地区では二桁増となった。徐々にインバウンド需要が浸透している地方(10都市以外の7地区/0.8%増)も6地区で前年をクリアし、3カ月連続のプラスとなった。
商品別では、主要5品目全てで前年をクリアし、特に国内外共に好調だった身のまわり品と雑貨は前年比2割を超える伸びを示した。ラグジュアリーブランドのバッグや時計、宝飾品、化粧品の動きが良く、一部商品では価格改定前の駆け込み需要も見られた。主力の衣料品は天候与件から春物衣料が苦戦したが、セレモニー関連には動きが見られた。食料品は、ホワイトデーなどから引き続き菓子が好調で、物産展等催事も盛況だった。新型コロナ5類移行後初となる4月の花見商戦では、各社多様な企画を展開し好調な滑り出しを見せている。
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