大手百貨店/10月売上高三越伊勢丹4.5%増、H2O5.1%増
2024年11月01日 16:27 / 月次
大手百貨店4社が発表した10月の売り上げ速報によると、三越伊勢丹ホールディングス前年同月比4.5%増、J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)2.4%増、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)5.1%増、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)0.6%増だった。
社名 | 売上高前年同月比 |
三越伊勢丹 | 4.5%増 |
J.フロントリテイリング | 2.4%増 |
H2Oリテイリング | 5.1%増 |
高島屋 | 0.6%増 |
■三越伊勢丹HD(2024年3月期売上高:5364億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比7.0%増、三越日本橋本店店頭0.2%増、三越銀座店10.1%増などで、三越伊勢丹計4.5%増だった。
函館丸井今井10.1%減、仙台三越0.1%減、新潟三越伊勢丹9.6%減、静岡伊勢丹6.5%減、名古屋三越0.4%増、広島三越16.6%減など、国内グループ百貨店計は2.2%減、国内百貨店計は2.0%増となっている。
伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店・三越銀座店を中心に引き続き、高付加価値商品が売り上げをけん引している。
ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドのハンドバッグ、宝飾、化粧品などが堅調に推移した。
気温が高く、前半は顧客の防寒アイテムに対する購買マインドが上がり切らなかったが、10月下旬になり一日の寒暖差が大きくなり始めるとジャケットやアウターなどへの関心の高まりがみられたという。
免税売り上げは前年を超えて推移しており、国内百貨店計(既存店)の全体購買傾向と同様にラグジュアリーブランドのハンドバッグや財布、時計、化粧品など高付加価値商品などが好調に推移している。
■J.フロントリテイリング(2024年2月期総額売上高:1兆1519億円)
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比2.3%増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は2.4%増だった。
10月の売上高は、休日が前年同月に比べ1日少なかったことや、高温が続き、秋物衣料にマイナス影響があったものの、ラグジュアリー、化粧品、時計の売り上げは好調だった。
店舗別では、15店舗中8店舗が前年実績を上回った。
大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、27.8%増(客数45.1%増、客単価13.6%減)となった。
■エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(2024年3月期売上高:6574億円)
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比5.1%増となった。内訳は阪急本店8.0%増、阪神梅田本店6.7%増、支店計0.3%増。
10月に入っても大阪では一部真夏日が継続し、秋物ファッションの動きが再び鈍化した。しかし、免税売り上げが好調な阪急本店、博多阪急に加え、阪神梅田本店がけん引し、全店売り上げは前年同月を上回った。
免税売上高は、国慶節の影響もあり前年に対して約4割増、阪急本店も約4割増。17カ月連続で過去最高を更新している。
阪急本店は、3カ月連続で過去最高売上高を更新。気温が高く秋物ファッションは伸び悩んだが、アクセサリー、バッグ、インターナショナルファッションは好調だった。化粧品や宝飾品の売上高も、前年に対して約2割増となっている。
9月末からの約2週間、人気催事「北海道物産大会」を開催。延べ約20種類が楽しめるソフトクリームをはじめ、9階の祝祭広場で展開したスイーツが集客に寄与した。前年に続き、過去最高の期間売上高を更新した。
■高島屋(2024年2月期営業収益:4661億円)
高島屋各店計は3.0%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、高崎高島屋を含めた国内百貨店計は0.6%増だった。
店頭売上高0.6%増、免税売上高35.1%増、免税を除いた店頭売上高3.5%減となっている。気温が高かったこともあり、婦人服、紳士服などの動きが弱かったという。
店舗別売上高は、大阪店、京都店、日本橋店、横浜店、新宿店、EC店、高崎店が前年実績を超えた。
商品別売上高(同社分類)は、婦人雑貨、特選衣料雑貨、食堂、サービスが前年実績を上回っている。
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