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府中天満屋/7月21日リニューアル、食品売場一新・行政の子育て施設も

2021年07月20日 14:10 / 店舗

商業施設をはじめとした多様な空間づくりを行うスペースは7月19日、「府中天満屋」(広島県府中市)のリニューアルオープンに際し、リニューアル内容の企画策定などを担当したと発表した。

<府中天満屋>
府中天満屋

府中天満屋は、7月21日リニューアルオープンする。1985年4月、府中市初の大型ショッピングセンターとして開業してから初の刷新となる。

スペースはリニューアル内容の企画策定以外にも、生活に欠かせない行政施設の誘致に際し、内装の基本設計・実施設計、共用部の施工を担当した。

スペースへ、天満屋ストアから施設リニューアルの相談があった際、府中天満屋、府中市ともにそれぞれの課題を抱えている状態だった。

GMS成熟期に建てられた大型商業施設は、品ぞろえと安さを武器に展開する大型専門店の競合により、空きテナントが問題になっている。新型コロナウイルス感染症による外出自粛、ECサイトの浸透が進めばさらに顧客の支持を失う恐れがある。天満屋ストアには、府中天満屋は「モノを売る」という手法にとどまらず、滞在空間、滞在時間を増やすための工夫を行うことで、コト消費・トキ消費による活性化を図りたいという意向があった。

府中市は、府中市の顔となる駅周辺部に人の回遊、特に若者・女性・ファミリー層を呼び込める新たな魅力づくりが必要だと考えていた。これからの都市政策、まちの発展を考えた場合、「若者」「女性」「ファミリー層」は重要なターゲットであり、「行ってみたい」「楽しい」と思ってもらえるような、それ自体が目的地となる拠点の必要性が課題となっていたという。

また、2020年2月には、「府中市と天満屋ストアとのまちづくりに関する協定書」が締結され、府中天満屋2階の約半分の面積(4300m2)が府中市に無償で寄付された。

今回のリニューアルでは、府中天満屋と行政施設を分けて考えるのではなく、境界線を感じさせない一体感のある空間、利用者が施設を回遊して長く滞在する導線を設計。全体のデザインコンセプトは、「NATURAL&CHEERFUL」とした。近隣住民からのヒアリングで声の多かった「自然の心地よさ」と「快活な元気さ」を感じる空間を目指した。

行政区画となった2階エリアのネーミングを「i-core FUCHU(いこーれ ふちゅう)」に決定。幅広い世代が交流し、くつろげる「屋内芝生広場」と、妊娠から出産、子育てまで切れ目のない支援を行う「子育てステーションちゅちゅ(府中版ネウボラ)」を設置した(ネウボラとはフィンランドの言葉で「アドバイスの場」を意味)。

人々が行き交うエリアの中心的施設にコミュニティースペースを設置することで、「コト消費」「トキ消費」といった滞在空間や滞在時間を創出し、府中天満屋と府中市双方が目指す姿を表現している。

1階は、地元の銘品を取り扱う天満屋ふるさと館を導入し、食料品売場を一新。食料品、生活用品、衣料品をワンフロアに集約することでワンストップショッピング、短時間での買物などの顧客ニーズに対応した見やすく買い周りしやすい売場を目指す。

2階は、「i-core FUCHU」のほか、「ヤマハ音楽教室」、100円均一の「セリア」、アミューズメント施設が新規出店する。

■府中天満屋
所在地:広島県府中市府川町186−1
最寄り駅:JR福塩線府中駅
営業時間:9時~20時
延床面積:2万7247m2
売場面積:9587m2
構造:鉄筋コンクリート造、地上3階、塔屋2階
運営・管理:天満屋ストア
http://www.tenmaya-store.co.jp/company/

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