流通ニュースは、流通全般の最新ニュースを発信しています。





芝浦プロジェクト/延床面積55万m2のオフィス・ホテル・商業・住宅複合開発

2022年05月23日 15:40 / 店舗

野村不動産とJR東日本は5月23日、区域面積約4.7ha、高さ約235m、延べ床面積約55万mのオフィス・ホテル・商業施設・住宅の大規模複合開発「芝浦プロジェクト」の計画詳細を発表した。

<芝浦プロジェクト>
芝浦プロジェクト

両社が共同で推進している国家戦略特別区域計画となる同プロジェクトは、浜松町ビルディング(東芝ビルディング、東京都港区芝浦1-1-1)の建て替え事業として、ツインタワーを建設する。

<浜松町ビルディングの建て替え事業>
浜松町ビルディングの建て替え事業
※現在の浜松町ビルディングから撮影(以下同)

S棟は2025年2月、N棟は2030年度完成予定となっている。約10年間に及ぶ大規模複合開発で、世界的建築家の槇文彦氏を設計者に迎え、東京湾岸部の新たなシンボルとして、国際ビジネス・観光拠点を目指す。

オフィスは、アフターコロナを見据え、オフィスワーク、リモートワークがハイブリッドで行われることを想定して開発する。海と空から得られる開放感ある眺望、緑や水に恵まれた立地を生かし、ウェルビーイングでオフィスに来たくなるオフィスを提案。働き方や働く環境に求められる価値観が変化した今の時代に寄り添う新たな働き方「TOKYO WORKation(トウキョウ ワーケーション)」をコンセプトとしている。

眺望環境を生かすための柱スパンを18m間隔とする設計を採用する。地上約138m(28階)に位置するワーカー専用の「スカイラウンジ」も配置し、働く人々のパフォーマンスや従業員エンゲージメント向上につながる環境を計画している。

<海と空から得られる開放感ある眺望>
海と空から得られる開放感ある眺望

S棟に約3305m2、N棟には約1万4876m2計約1万8181m2の商業施設を導入する。S棟は主にオフィスワーカー、近隣住民向けの店舗を予定しており、2030年のN棟完成と同時に、商業施設部分もグランドオープンする見込みで、詳細は今後発表する。

最上級のパーソナルなサービスとラグジュアリーな体験を提供するため、S棟上層階には、欧州最大手のホテルグループであるアコーが手掛けるラグジュアリーホテルブランド「フェアモント」(219室)が日本へ初進出することも決定した。

同日行われた記者会見で、野村不動産ホールディングスの沓掛英二社長は「東京の魅力を発信する湾岸地域最大規模の再開発となる。周辺環境を生かしたウェルビーイングなオフィス専有部、快適に過ごすことができる共用部に加え、DX、サステナブルな設備が充実した施設となる。周辺の浜松町駅西口地区開発計画、東京ポートシティ、ウォーターズ竹芝とも連携し、浜松町エリア全体の活性化を目指す」と意気込みを語った。

<エリア全体の活性化を目指すと沓掛社長>
エリア全体の活性化を目指すと沓掛社長
※左からJR東日本の喜勢陽一副社長、野村不動産HDの沓掛社長、松尾副社長

また、周辺環境は、浜松町駅からの緑に囲まれた開放的なアプローチなど、野村不動産の住宅開発、街づくりの知見を生かし、街全体の価値を高める計約1万3500m2の緑地空間を整備。日々の通勤・在勤で森林浴のリラックス効果を得られるという。

<船着き場などの親水空間が広がる立地>
船着き場などの親水空間が広がる立地

芝浦運河に面したテラスや船着き場などの親水空間がオフィス周辺に配置されており、通勤・防災時に舟運を利用することも想定している。

防災面では、超高層建物の重量を強固な支持地盤で支える直接基礎形式と、振動エネルギーを吸収するダンパーによる制震構造を採用。非常用発電機を実装し、電気・ガス途絶時も最低72時間電力供給が可能であり、テナントの事業継続をサポートする。

敷地内での防潮板の設置に加え、浸水に備え、電気諸施設を2階以上に設置、地下重要施設にも水密扉を設置することで、機能を維持するなどBCP対策も充実させる予定だ。

野村不動産HDの松尾大作副社長は、「野村不動産グループも2025年に本社を芝浦プロジェクトS棟へ移転する。これまで以上にチャレンジングな組織風土の醸成と共に、都心で空・海・緑を感じながら、自らその日の働きかたをデザインする新たな働きかたTOKYO WORKationをテナントとともに、実現していきたい」と述べた。

<周辺イメージ>
周辺イメージ

■芝浦プロジェクト
事業主体:野村不動産、JR東日本
施工者:S棟清水建設。N棟未定
設計者:槇総合計画事務所、清水建設、オーヴ・アラップ・アンド・パートナーズ・ジャパン・リミテッド、日建設計
所在地:東京都港区芝浦1-1-1他
区域面積:約4万7000m2
延べ床面積:約55万m2
主用途:オフィス・商業・ホテル・共同住宅・駐車場他
階数/高さ:S棟地上43階地下3階/約235m。N棟地上45階地下3階/約235m
着工/完工(予定):S棟着工2021年10月、完工2025年2月。N棟着工2027年度、完工2030年度

関連記事

店舗 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧