ココカラファイン/スギHD・マツキヨと協議、企業価値向上の観点で決定
2019年06月03日 17:00 / 経営
ココカラファインは6月1日、スギホールディングスと経営統合に関する検討と協議を開始すると発表した。同時に、4月26日に発表したマツモトキヨシホールディングスとの資本業務提携に関する協議も継続すると発表した。
ココカラファイン広報部によると、「マツモトキヨシHDとの資本業務提携に関する協議開始を発表した後、スギHDから、企業価値を向上させる施策として経営統合に関する提案を受けた。当社として、企業価値を向上させる可能性の有無の観点から、今回の発表に至った」と語る。
また、「現時点では、スギホールディングス、マツモトキヨシホールディングスと当社の3社で協議する予定はない。あくまで、個別に協議する」と述べている。
今後、早急にマツモトキヨシHDとの協議、スギHDとの協議を、客観的な立場から総合的に検討するために、特別委員会を設置する予定だ。
特別委員会の設置時期・委員の選定などの具体的な内容は、決定次第、発表する。
ココカラファイン広報部は、「現時点では、どちらも検討と協議を開始した段階であって、どういった結論になるかは、まったく未定だ」とコメントしている。
マツモトキヨシHDは、ココカラファインの株式0.26%を保有しているが、ココカラファインはマツモトキヨシHDの株式を保有していない。
ココカラファインは、ヘルス&ビューティーの売上構成比が高く、食品の売上構成比は10%程度と低くなっている。都市部、都市周辺部に、調剤を備えた薬局を展開しているのが特徴となっている。
マツモトキヨシもヘルス&ビューティーの売上構成比が高く、食品の売上構成比が低いといった業態特性は似ているため、医薬品の共同仕入れ、物流の共同化、プライベートブランドの共同開発が進めやすいという。
現在、マツモトキヨシとココカラファインによる資本業務提携準備委員会が設置されており、資本業務提携に関する検討と協議がはじまっている。
2019年3月期のココカラファインの売上高は4005億5900万円、営業利益129億1500万円、経常利益152億3300万円、当期利益91億5800万円。
2019年3月期のマツモトキヨシHDの売上高は5759億9100万円、営業利益360億2800万円、経常利益389億7800万円、当期利益250億3500万円。
2019年2月期のスギHDの売上高は4884億6400万円、営業利益258億1700万円、経常利益272億3700万円、当期利益179億4000万円。
現在ドラッグストア業界で、売上No.1のウエルシアHDの2019年2月期の売上高は7791億4800万円、営業利益290億4500万円、経常利益315億円、当期利益174億2300万円となっている。
ココカラファインがどちらの企業と提携しても、売上高は8000億円を超えるため、ドラッグストア業界で最大の企業連合が誕生する。
■これまでの経緯
時期不明 スギHDがココカラファインと業界再編に対する非公式な意見交換を開始
2015年頃 マツキヨとココカラファインが資本業務提携について非公式に検討
2019年以降
4月26日 マツモトキヨシHDとココカラファインの資本業務提携の協議発表
4月27日 スギHDがココカラファインに経営統合を正式に申し入れ
4月30日 ココカラファインがスギHDの経営統合の正式な申し入れを受領
4月下旬~5月 マツモトキヨシとココカラファインが資本業務提携準備委員会を設置
6月1日 スギHDとココカラファインで経営統合に関する検討と協議開始で合意
6月1日 ココカラファインがマツモトキヨシHDとの協議継続を発表
6月3日 マツモトキヨシHDがココカラファインとの協議継続を発表
■今後のスケジュール
未定 ココカラファインがマツキヨHD、スギHDとの協議を判断する特別委員会を設置
未定 スギHDとココカラファインが経営統合委員会を設置
7月31日 スギHDとココカラファインが経営統合に関する基本合意書の締結(予定)
9月末まで マツモトキヨシHDとココカラファインの資本業務提携の締結(予定)
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