ラーメン店の倒産/前年から倍増の可能性も、コスト増が直撃
2024年08月02日 13:16 / 経営
帝国データバンクが8月2日発表した「ラーメン店」の倒産動向調査(2024年1~7月)によると、「ラーメン店」の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は、7月までに49件発生したことがわかった。
前年(53件)からほぼ倍増、過去最多の2020年(54件)を上回るペースで、初の年間100件台に到達する可能性が出てきた。
人件費、電気代など店舗運営コストの上昇に加え、3年間で1割上昇したラーメン原価の負担増が直撃したと分析している。
帝国データバンクが、各種統計情報を基にラーメンで使用する原材料のトータルコストを初めて試算した「ラーメン原価(豚骨ベース、東京都区部)」をみると、2024年6月時点の指数は、2022年平均比で113.5と、2年前から1割超の上昇となった。
最も上昇した2023年10月(124.4)に比べると上げ幅は小さいものの、依然として高止まりが続いている。特に、チャーシュー、豚骨ガラで欠かせない豚肉や背脂は、枝肉ベースで前年比2割近く高騰している。
麺、ノリ、メンマなどの具材も不作、円安で価格が高騰するほか、スープにこだわる店では24時間加熱するケースも多く、光熱費の値上げによる負担も大きい。
同社では「味を守るためにコストを下げることは難しく、原材料の値上げペースに耐え切れなくなった店や、値上げを実現してもその後客足が減少した店で、閉店や経営破綻を余儀なくされたケースは多い」とみている。
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