ウエルシアHD 決算/3~8月増収増益、デジタル化で生産性向上
2025年10月08日 17:36 / 決算
ウエルシアホールディングスが10月8日に発表した2026年2月期第2四半期(中間期)決算によると、売上高6787億9300万円(前年同期比7.6%増)、営業利益228億900万円(20.8%増)、経常利益254億1800万円(21.6%増)、親会社に帰属する当期利益159億2300万円(35.9%増)となった。
売り上げ面は、調剤部門は好調に推移したものの、7~8月の高温による生活者の外出控えなどが影響し物販が苦戦。増収は確保したものの、計画を下回った(計画は売上高6851億円、63億600万円未達)。
利益面では、賃上げなどで人件費が増加したが、デジタル活用・働き方改革で生産性を向上させた。ウエルシア薬局既存店(物販のみ)1店舗当たり前年同期比人時7%削減、1店舗当たりの残業時間を35%削減に成功した。
その結果、営業利益205億円から228億900万円、経常利益227億円から254億1800万円、純利益125億円から159億2300万円と計画を上回る増益を計上している。
10月8日開催された決算会見で、桐澤英明社長は「店舗のセルフレジ、業務用スマホの導入などで人時コントロールがうまくいっている。お客様との会話内容をAIが自動で、記録し要約。薬剤師の記録作業の負担を軽減する『AI電子薬歴』も採用開始した。生産性とともに、より質の高いコミュニケーションの実現を目指す」と説明した。
プライベートブランド(以下:PB)売上高は、前年同期18.4%増。2023年2月期から1.6倍以上に増加している。PB物販売上高構成比は10.1%に拡大。近年目標としていた10%を突破した。
食料品物価の上昇影響を受け、トップバリュを中心に伸びた。からだ・くらしWelcia19.6%増、トップバリュ28.9%増だった。
店舗戦略では、ドラッグ&フードの進化モデルを8月末までに稲敷釜井店、つくば小茎店の2店舗でリニューアルオープンした。今期計9店舗の改装を予定している。
「食品4:非食品6」の比率を基本とし、ヘルス&ビューティーケアをメインとする売り場レイアウトを採用している。
冷食も既存店よりも充実させることで、内食ニーズにも対応。イオンのインフラ活用により、弁当・総菜など品ぞろえの拡充する。
そのほか、メディカルケア戦略では、2025年3月にイオンタウン幕張西店にて開設した包括的ヘルスケアサービスブランド「Care Capsule(ケアカプセル)」における、管理栄養士による未病予防カウンセリングに加え、各種検査や健康測定サービスが好評を博し、順調に成果を上げているという。
また、7月から居宅介護支援事業所を日立本宮店にて併設。ドラッグストア事業や介護専門事業会社との連携を開始した。
グループ全体で26店舗の出店と37店舗の閉店を実施し、8月末のグループの店舗数は3002店舗となっている。
さらに、地域社会の課題に対し、地域協働コミュニティスペース「ウエルカフェ」、移動販売車「うえたん号」、ウエルシアケアトランスポートにて開始した介護タクシー事業「ウエルタク」の活動なども推進している。
なお、同社は、ツルハホールディングスとの経営統合を予定しており、2025年11月27日で上場廃止になる予定であるため、通期連結業績予想は公表していない。
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