ウオロク/需要予測AIで生産・在庫管理を最適化する実証実験開始
2023年08月17日 12:06 / IT・システム
シノプスは8月17日、伊藤忠商事と構築に向け取り組んでいる食品デマンド・チェーン・マネジメント(消費者などから得られる情報に基づく需要予測で、生産・在庫管理を最適化すること)の実証実験をウオロクで開始したことを発表した。
<ウオロクの物流センター>
シノプスと伊藤忠商事は、食品ロス削減や物流の効率化といった食品バリューチェーンの最適化を実現するべく、2022年1月に「デマンド・チェーン・マネジメント プラットフォーム」構築に向けた業務提携契約書を締結している。シノプスは1980年代から需要予測・自動発注の分野に着目し、販売実績や在庫情報、天気予報といったさまざまなデータからAIが最適な発注数を算出する需要予測型自動発注サービス「sinopsシリーズ」を開発・提供。同シリーズは、これまで食品スーパーマーケットを中心に小売業106社が導入(2023年6月時点)したという。
シノプスの小売業のノウハウと、伊藤忠商事の豊富なネットワークを生かし、デマンド側である小売業の需要予測データを卸売業や製造業につなげることで、バリューチェーンの最適化を目指すデマンド・チェーン・マネジメントプラットフォームの構築に向けて取り組んでいく。
今回の取り組みでは、新潟県内で食品スーパーマーケットを43店舗運営しているウオロクにて、物流センターの在庫圧縮と、特売品の物流センターへの納品リードタイム(以下、「納品LT」)を長期化する実証実験を開始した。実証期間は、8月から11月まで(予定)。
同社では、店舗運営に必要なsinopシリーズを全店で幅広く導入しており、sinopsで算出した店舗の需要予測データを再活用して、物流センターの稼働効率アップを図る。あわせて食品バリューチェーンの最適化も目指し、sinopsで特売品の需要予測を14日先まで行い、従来は数日前に確定していた卸売業への発注を、14日前に確定する。
納品LTを長期化することで、卸売業の特売期間中の追加発注の対応に向けた需要予測や在庫調整業務の負荷軽減や、物流センターの過剰在庫や欠品リスクの抑制が期待できる。データによる机上検証では、sinopsが算出した予測値とPOSデータの販売実績を比較したところ、予測誤差は問題なく実運用できるレベルにあることを確認。さらにウオロクの発注担当者が起案した発注数とsinopsが算出した発注数の比較では、sinopsで発注した場合の方が特売期間中の卸売業への追加発注を抑制できるというシミュレーション結果も出たという。
今後は、ほかの小売業でも同様の実証実験を行い、在庫圧縮率や納品LT長期化における物流改善の効果を現場検証する。「2024年問題」や、物流センターのキャパシティーひっ迫などの課題を解決し、最適なバリューチェーンを実現するべく、デマンド・チェーン・マネジメントプラットフォームの構築に向けた動きを加速していく。
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