パルコ/44年ぶりに23区内に出店、上野に大人向けパルコ「PARCO_ya」
2017年10月31日 23:00 / 店舗レポート
パルコは11月4日、御徒町駅前の松坂屋上野店南館跡地に開業する複合施設「上野フロンティアタワー」1階~6階に、ちょっと上の、おとなの、パルコとして、「PARCO_ya(パルコヤ)」をオープンする。31日、関係者向け内覧会を開催した。
パルコヤは、1973年の「渋谷パルコ」オープン以来、パルコとして44年ぶりの東京23区内での新店舗出店となる。
投資額は約17億円で、全68店が出店し、年間テナント取扱高で60億円を目標とした。約8割にあたる52店が上野御徒町エリア初出店で、約2割にあたる11店は上野御徒町にゆかりのある店舗とした。
牧山浩三代表執行役社長は、「6年前に、パルコがJ.フロントリテイリング入りしてからはじめてのコラボレーション企画だ。1969年に池袋パルコがオープンした時は、ファッションは衣料品が最適だったが、今は食がファッションの要素となっている。食の中にファッションを感じるものを伝統のある上野の老舗と一緒になって提供する。パルコのストアブランドは、若さやサブカルチャーのイメージだが、もう少し幅を広げて大人も楽しめる店とするため、パルコヤの屋号を導入した」と語る。
パルコの名称では、施設全体をパルコが運営しているイメージが強いが、「松坂屋上野店」「TOHOシネマズ上野」「オフィス」との複合ビルに出店し、専門店部分をパルコが運営することを打ち出す上でも「パルコヤ」の屋号を採用したという。
テナントの業種別構成比は、衣料品35%、雑貨10%、飲食21%、化粧品・身のまわり品20%、その他16%とした。
一方で、パルコの都心型店舗の業種別構成比は、衣料品50%、化粧品・身のまわり品14%、雑貨21%、飲食11%、その他4%程度となっている。
衣料品テナントの構成比を下げ、飲食、化粧品・身のまわり品の構成比を上げることで、衣食住のライフスタイル提案型のテナント構成を目指した。
パルコとしては今まで出店していなかった東東京への出店ということであらゆる角度からのマーケティングを行い、国内有数の人口密度と人口の伸び率、働きに来る方も多いことに注目し、おとなのターゲットに対応する「ともだちを誘いたくなる、ちょっとおしゃれなおとなのたまり場」をコンセプトにした。
新しいエリアで、周辺環境に合わせたおとなに向けた展開により、新しい客層の獲得を目指す。
団塊ジュニア世代を中心としたおとな男女(1960~1985年生まれ、30~50代)と銀座・丸の内・日本橋に流出している近隣居住者とオフィスワーカーをターゲットとした。
平日は近隣居住者とオフィスワーカー、土日は来街者(ファミリー・三世代消費)・観光客(インバウンド含む)の利用を想定する。
牧山社長は、「伝統のある上野の老舗にも出店していただき、新しい取り組みに挑戦していただいた。うえのやぶそばでは、そば粉を使ったガレットを提供し、湯島が発祥の日本料理店『くろぎ』は、新業態の大人のための和のカフェ&バーを展開している。パルコヤでなければ体験できない店舗やメニューが一つの特徴だ」という。
これまでパルコへの出店がない企業にも積極的に声をかけ、テナントの約40%がパルコへの初出店の企業となった。
新しい取り組みでは、上野御徒町エリア初出店となる日比谷花壇が、新コンセプトショップを出店し、東京藝術大学とのコラボレーションを行う。
生花のほか、鉢付きのインテリアプランツや多肉植物などの植物をそろえ、ギフトだけでなく、自分の部屋に飾る1本の花や特別の日のブーケなど、花の魅力をより身近に感じられる提案をする。
旧松坂屋百貨店で人気があった「あんみつ みはし」やカフェ「ハーブス」を誘致し、これまでの松坂屋百貨店の利用者の取り込みも図る。
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