東急ストア/500m圏にスーパー9店創業地「武蔵小杉」に再出店
2019年04月26日 16:30 / 店舗レポート
東急ストアは4月26日、川崎市の東急東横線・目黒線「武蔵小杉駅」直結の商業施設「武蔵小杉東急スクエア」に「東急ストア武蔵小杉店」をオープンした。
東急東横線・目黒線の高架下に展開する「ステーションマーケット」の武蔵小杉駅南改札側に出店した。出店地は、1956年11月に、東急ストアの前身となる第1号店舗「武蔵小杉東興店」が出店していた跡地。
2000年10月に「旧武蔵小杉店」を開業したが、2018年3月から高架橋補強工事に伴い約1年2カ月休業していた。
武蔵小杉駅は、JR横須賀線「武蔵小杉駅」、JR南武線「武蔵小杉駅」と直結し、店舗周辺は再開発が進み、タワーマンションの建設が続いている。
そのため、商業施設の建設が相次ぎ、500m圏に東急ストアを含めて9店の食品スーパーが出店する激戦地となっている。
「イトーヨーカドー武蔵小杉店」、「イトーヨーカドーグランツリー武蔵小杉店」、ダイエーが展開する「フーディアム武蔵小杉」、「マルエツ武蔵小杉駅前店」、富士シティオが展開する「デリド武蔵小杉店」、地元スーパーの「大野屋小杉店」が出店。
駅前商業施設「ららテラス武蔵小杉」内には、「成城石井ららテラス武蔵小杉」、JR南武線「武蔵小杉駅」には紀ノ国屋の小型店舗「KINOKUNIYA entree(アントレ)」が出店している。
1次商圏は500m圏3万5000人・1万9000世帯で、74.4%を占める単身・2人世帯をメインターゲットとした。店舗面積は683m2で、旧店舗に比べて売場面積で25%減少した。
駐輪場は51台を備えるものの、駐車場はないため、駅利用者や単身・2人世帯に向けて、「簡便」「即食」「小容量」「時短」をキーワードとした商品を提案することで、他店との差別化を図る。
街から武蔵小杉駅南口に向かう動線上に立地しているため、店舗の出入口を3つ用意した。
高架下に立地し細長い店舗であっても、解放感のある店舗とするため、駅入口側には青果平台を配置した。
店舗入口から奥に行くにしたがって、1100mm、1600mm、1350mm、1700mm、1950mmとゴンドラ什器の高さを変えることで、ハイゴンドラを使用しても圧迫感がない店内を演出した。
デリカ、青果、精肉、ワインなどの各部門のサインを斜めに配置することで、店舗入口から、どこでどの商品を売っているのかひと目で分かる工夫をした。
買物を楽しめる空間づくりとして、店内の内装は洗練された「ヴィンテージ&ナチュラル」をコンセプトに仕上げた。
営業時間は、競合店舗のマルエツ、フーディアム、デリドと同じ7時~25時にした。旧店舗は24時間営業だったが、店舗周辺の雇用環境は厳しく、収益性の観点から営業時間を決定した。
売場面積は縮小したものの、新たに直営ベーカリーを導入した。直営ベーカリーの導入は28店目となる。
ベーカリーを付加したことで、デリカは売上構成比で3.8%増を目標としている。ベーカリーでは、店内製造の100円パンを中心に約20種類を販売する。
駅側入口にセミセルフレジ4台、通常レジ1台、レジ前にデリカを配置することで、即食商品を短時間にコンビニ的に買い物ができるレイアウトを採用した。
社員8人、パート・アルバイト70人で運営する店舗だが、デリカ売場には社員3人を配置した。
デリカでは平日20時までは、できたて商品を提供する予定で、従業員の出勤シフトを夜に手厚くしている。
少ない人員で、長時間の営業時間を維持するため、早朝はプロセスセンターで製造した商品を活用する。
おにぎり、弁当、サラダ、和風惣菜などはプロセスセンターで加工した商品を活用することで、店内を削減する。
昼には、店内加工商品が並ぶ運営で、夕方にはつまみにも対応する商品も投入する。
店舗面積が小さいため、精肉部門は100%プロセスセンター商品で対応することで、バックヤードの面積を縮小し売場面積を増やした。
簡便、時短に対応したミールキットや簡単に調理できる商品を青果・精肉・鮮魚の各部門で展開した。
青果では、カット野菜を集めた生野菜サラダコーナーや下処理ずみの素材を集めたクッキングサポートコーナーを設置した。
精肉では、ミールキットとして、「チキンアヒージョ」「ぽん酢で食べるミルフィーユ」「豚バラと国産野菜のぽん酢蒸し」「お肉屋さんのチーズダッカルビ」(各税込430円)を販売する。
鮮魚では、「煮るだけ!」「焼くだけ!」「揚げるだけ!」をテーマにした「あとはこれだけ」シリーズを導入したほか、羽田市場が提供する真空パックと調味料をセットにしたミールキットなどを取りそろえた。
店舗面積に制約があるため、ゴンドラエンドのプロモーションスペースも定番コーナーとして活用した。
例えば、そうめん、冷麦、そばといった乾麺と麺つゆの定番棚をゴンドラエンドも活用して展開する。
関連販売を意識した棚割りを徹底することで、定番コーナーであっても、エンドプロモーションコーナーを同様に、季節商材を提案できる工夫をした
酒類では、ビールと缶チューハイの冷蔵ケースの間にある柱回りを活用し、つまみコーナーを展開した。
精肉部門では、壁面を活用してメニューに連動したスパイスコーナーを展開。鶏肉、豚肉、牛肉、それぞれに合わせたメニューとスパイスを併売する。
冷凍食品では、保冷バックやお弁当につかうピックなど関連する生活雑貨を併売している。
プレッセシブヤデリマーケットで販売する、ハイカカオチョコレートやカップ入りナッツなどを販売することで、東急ストアとしての最新のMDを取り入れた。
酒類では、日本酒で「八海山」の品ぞろえを拡大することで、他店との差別化を図った。
店内POPの一部には、手書き風印刷POPを導入し、商品を訴求する。できるだけ手間をかけずに、POPの演出を強化することで、ローコスト運営を推進している。
今期は、秋に東京都町田市に開業する商業施設「グランベリーパーク」に出店する計画となっている。
■東急ストア武蔵小杉店
所在地:神奈川県川崎市中原区小杉町3-472
TEL:044-733-0109
売場面積:683m2
駐輪場:51台
営業時間:7時~25時
目標年商:13.8億円
従業員数:78人(社員8人、パート・アイバルト70人)
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